認知症の危険因子「高血圧」を予防しよう!
こんにちは!健康ラボステーションの樋口です。
みなさんは定期的にご自宅や病院などで血圧を測っていますか?
高血圧は、認知症の中でも脳の血管の障害に起因する「脳血管性認知症」の危険因子のひとつです。
今回は高血圧の基準と、高血圧の予防方法としてよく言われる「減塩」について、お話いたします。
高血圧の診断基準
日本では、日本高血圧学会が高血圧治療ガイドラインというものを定めており、その中に高血圧の診断基準もあります。
2019年に改訂され、以下のように定められました。みなさんの血圧はいかがですか?
Ⅰ度高血圧の基準以上に血圧が高い方は、もちろん注意が必要ですが、正常高値血圧、高値血圧に該当する方も油断はできません。なぜなら、正常高値血圧、高値血圧に該当する方は、生涯のうちに高血圧へ移行する確率が高いことが明らかになっているからです。
食塩摂取量の現実…
高血圧の予防や治療というと、必ずと言っていいほど、「減塩」を勧められます。
日本人の食事摂取基準2020年版では、食塩の目標量として、15歳以上の男性は1日あたり7.5g未満、女性は6.5g未満、高血圧の方や慢性腎臓病の方は、重症化予防のため男女ともに6.0g未満と定めています。
しかしながら、令和元年国民健康・栄養調査では、食塩摂取量の平均値は、男性10.9g、女性9.3gと、男女ともに約3g上回っています。
この超過している約3gの食塩摂取量をできるだけ減らしたいのですが、そのまま減らすとなると、味が薄い、物足りないと感じて、なかなか減塩が続かないかと思います。
いきなりたくさん減らすのではなく、少しずつ減らしていくことを目標にしましょう。舌が慣れてくると、素材のうま味を感じやすくなり、薄味でも満足しやすくなります。
減塩のポイント
汁物を控える、塩分の多い佃煮や漬物、インスタント食品を控える、できるだけ塩や醤油などの調味料は計量する、といった方法はよく耳にするかと思います。
その他のポイントとしては、以下のような方法があります。
①出汁の風味を活かす
出汁をしっかりととり、風味を活かすと薄味でも満足しやすくなります。
ただし、市販の顆粒出汁は塩分が多いものもありますので、少し手間がかかりますが、鰹節や煮干し、昆布などからとるようにしましょう。
お水を入れたポットに、出汁パックに入れた鰹節や煮干し、昆布などをつけて、一晩おくだけでも、おいしい出汁がとれます。
②お酢や香辛料、香味野菜を使用する
お酢やかんきつ類といった酸味、唐辛子、カレー粉、こしょうといった香辛料、ねぎやにんにく、みょうがといった香味野菜を利用すると、風味が加わり、塩分を減らして薄味にしても味が引き立ち美味しくいただくことができます。
③醤油やソースは、上からかけるのではなく、小皿に入れてつける
とんかつなどにソースが欲しいと思ったとき、上からドバっとかけていませんか?
上からかけてしまうとかけすぎてしまうということがあります。小皿に入れて、つけて食べるようにしましょう。もちろん小皿に入れてもべったりつけては意味がないので、ちょんちょんと少しずつつけるようにしましょう。
小皿に取った量以上は使わない(足さない)ようにすると、尚良いですね!
ちなみにお塩を使う場合は、小皿に取ってつけたり、調味料入れから直接振りかけたりするよりも、指でひとつまみとって、パラパラとかける方が、摂りすぎを防ぐことが出来ます。
④料理に油を活用する
料理に油が加わると、こくが出るため減塩をしやすくなります。実際にドレッシングもノンオイルの方が、塩分が高い傾向にあります。
⑤味付けにメリハリをつける
全てのお料理を薄味にしてしまうと、満足感を得にくくなります。しっかり味をつけるお料理と、薄味にするお料理とメリハリをつけることで、満足感を高めることができます。
いかがでしょうか。
今回お伝えしたポイントを全ていっぺんに実施するとなると、「いろいろ気をつけないといけなくて難しい。」「どれも薄味で、食事が楽しくない…。」といった状況になりかねません。
毎日1個、どれかだけでも構いませんので、少しずつ塩分を減らすことができるよう、頑張ってみてください!
作成:認定NPO法人 健康ラボステーション 管理栄養士 樋口 遥香
大手前栄養学院専門学校卒業後、2016年4月に認定NPO法人健康ラボステーションへ入社。管理栄養士・介護食コーディネーターの資格を所持。 |