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ご存知ですか?認知症予防に効果的な「マインド食事法」

2020年11月10日

こんにちは!健康ラボステーションの樋口です。

突然ですが皆さんは、認知症は食事で防ぐことが出来ると思いますか?

世界では「認知症予防にいい食事・食品」などの研究がなされているのですが、
その中で、「認知症を予防している可能性が高い」と考えられる食生活が明らかになってきました。

では、一体どんな食品を、どのように食べれば、認知症の予防効果が期待できるのでしょうか…。

生活習慣病がリスクを高める!?

以前、「DHA、EPAってどんな成分??」のコラムでもお伝えした通り、糖尿病や高血圧といった生活習慣病は、認知症のリスクのひとつです。
生活習慣病を招きやすい食生活をやめ、健康的で、バランスの良い食事を摂ることが認知症予防には非常に重要であると言えます。

その中でも、「マインド食事法」という食事法が、認知症予防に良いと考えられています。

認知症を防ぐ!?マインド食事法

マインド食事法は、2015年にシカゴのラッシュ大学メディカルセンターの研究グループが発表したことをきっかけに、世界中に知られるようになりました。
58~98歳の923名の食生活を約5年間追跡したという研究で、923名のうち、144名がアルツハイマー型認知症を発症しました。しかし、マインド食事法を試していた人は、発症リスクが最大53%も低いということがわかりました。

そんな魅力的な食事法「マインド食事法」は、「地中海料理」と「DASH食(ダッシュ食)」を組み合わせた食事法とされています。

地中海料理はイタリアやギリシャなどの地中海の国々で食べられている料理で、かねてより認知症に効果があると考えられていました。
オリーブオイルや緑黄食野菜、魚類やナッツ類などをふんだんに取り入れており、主食は比較的血糖値の上昇がゆるやかなパスタが多く、お酒はポリフェノールの多い赤ワインを少量飲む、という特徴があります。

▼地中海料理イメージ

DASH食とは、Dietary Approaches to Stop Hypertension (高血圧を防ぐ食事法)の略語です。アメリカで調査・研究され、高血圧を改善する食事法として効果が認められています。
緑黄色野菜や淡色野菜、魚類、大豆製品、海藻類、低脂肪の乳製品などを意識して摂り、脂質の多い豚肉や牛肉、バターやマーガリン、スイーツやジャンクフードの摂取を減らすという考え方の食事法です。

マインド食事法のポイント

この2種類の食事法を組み合わせて作られたマインド食事法は、積極的に摂ると良い食材を10項目、なるべく控えた方が良い食材を5項目定めているのが特徴です。

以上が、マインド食事法の主な内容です。
少し献立に意識して食材を加えるだけで、高血圧や認知症を予防できるかもしれません。
日本人の場合は、塩分を摂りすぎている傾向がありますので、さらに減塩を心がけるとより良いとされています。

ぜひ、皆様も一度試してみてはいかがでしょうか?

執筆:認定NPO法人 健康ラボステーション 管理栄養士 樋口 遥香

大手前栄養学院専門学校卒業後、2016年4月に認定NPO法人健康ラボステーションへ入社。管理栄養士・介護食コーディネーターの資格を所持。
健康を維持し、病気を防ぐ意識をつけていただくために、栄養相談や健康維持に関連するセミナーを実施。またレシピの考案や健康コラムを提供している。健康ラボステーションのFacebookでは、過去にカフェで働いていた経験をもとに、コーヒーやカフェインに関する健康効果をコラムにして更新中。

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