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認知症の特徴的な歩き方とは

2021年8月10日

私たちは加齢に伴い筋力が低下し、自然と歩く力が弱まります。
しかし、認知症患者の場合は歩行障害が生じることで、特徴的な歩き方が見られやすいです。
今回は、認知症患者の歩行障害として見られやすい特徴を解説します。
転倒や寝たきりのリスクがあるため、家族や介護者は参考にしてみてください。

認知症と歩行の関係

認知症と言えば、物忘れが悪化した記憶障害や日時や場所が分からなくなる見当識の障害で有名ですが、実は認知症患者には歩行障害も見られます。
認知症の種類によって歩き方にも変化があり、アルツハイマー型認知症では重度に進行すると前傾姿勢や歩幅の狭い歩き方になります。
脳血管性認知症の場合は、脳機能の低下に伴い麻痺などで手足の動かしづらさが生じ、片足を回す形で歩く様子が特徴的です。
前頭側頭型認知症の場合は身体のバランスのとりづらさから転倒しやすく、直立の維持が難しくなります。
特に、レビー小体型認知症の場合は、パーキンソン症状が見られ、歩数や歩幅が変則的になりやすいです。
歩行障害は、加齢による筋力低下のみが原因ではなく、認知症の症状である認知機能や運動機能の低下も関係していると言えます。

パーキンソン症状の歩行障害

レビー小体型認知症で見られやすいパーキンソン症状は、思い通りに身体を動かしにくくなる運動機能低下の病気です。
ここでは、認知症患者に見られやすい歩き方である①小刻み歩行、②すくみ足、③突進歩行について解説します。
転倒の原因になりやすいため、しっかり特徴を理解しておきましょう。

①小刻み歩行

小刻み歩行とは、歩く時の歩幅が2、3cmなど極端に狭くなってしまう歩き方を指します。
パーキンソン症状として脳機能が低下し、歩行のリズムが狂ってしまうことに加えて、認知症による注意力の低下で悪化する傾向があります。
考え事をしながらトイレに行くときや、電話やインターホンに対応しようと動くときなど、注意が逸れる場面で見られやすいです。

②すくみ足

すくみ足とは、突然足の裏が地面にくっついてしまうような感覚となり、歩きはじめの最初の一歩が出せなかったり、歩いている最中に足が止まってしまう状態を指します。
特に、歩く方向を変えるとき、狭い場所を歩くとき、信号で道路を渡るときに思い通りに足を動かせなくなりやすいと言えます。

③突進歩行

突進歩行とは、姿勢が傾いて速足になることで歩きはじめると止まれなくなる状態を指します。
突進歩行は前方だけでなく、後ろに下がる場面でも見られる危険な歩き方です。
たとえば、戸棚を開けるために一歩後ろへ下がろうとした際に姿勢が傾き、そのまま後方に突進歩行してしまう場合があります。

認知症患者の安全な歩き方

認知症患者の歩き方はどれも転倒のリスクが高く、日常的な動作がうまくいかなくなる可能性があります。
歩行障害には認知症患者も苦しむことが多いため、焦らせる声掛けは控えましょう。
安全な歩行をするためには環境調整や周りのサポートが重要になります。
小刻み歩行がある場合は、つまずかないようにコードをまとめたり、腕を大きく振って歩くなど動作を大きくしたりするサポートが効果的です。
すくみ足がある場合は、方向転換するときに手すりを利用し、床に足跡や矢印などの目印を貼って分かりやすくする工夫ができます。
突進歩行がある場合は、速足になる前に立ち止まる練習や、直進ではなくジグザクと歩くことでバランスを保ちやすくなります。

まとめ

歩行障害は、高齢化だけでなく認知症の症状が進行することでも生じます。
頭で「スムーズに歩きたい」と思っていても、実際は思うように足が動かないために小刻み歩行やすくみ足、突進歩行が見られます。
これらの特徴的な歩き方を正すという考え方よりも、本人が過ごしやすくなるための工夫を一緒に考えていくことが大切な対応です。

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