デイサービスとデイケアとは?3つの違いを解説
デイサービスとデイケアはどちらも名称が似ているため、違いが分からず利用の判断に困る人は多いです。
利用者のニーズに合うサービスを受けるためにも、今回はデイサービスとデイケアの3つの違いについて分かりやすく解説します。
デイサービスとデイケアについて
デイサービスとデイケアはどちらも介護保険の使えるサービスですが、通所の目的には違いがあります。
まず、デイサービスとデイケアについて簡単に解説していきます。
デイサービスとは
デイサービスは、主に在宅での介護が可能な高齢者が一時的に専門施設で介護を受ける日帰りサービスで、通所介護とも言います。
食事や入浴、排せつなどの機能訓練を行い、利用者の身体機能を維持することができます。
他にも、利用者の孤立感やストレスなどの解消も狙うことができる場所です。
デイケアとは
デイケアは、在宅で暮らす人が病院や施設に通い、日常生活の支援やリハビリを受ける日帰りサービスで、通所リハビリテーションとも言います。
食事や入浴などの介護サービスだけでなく、デイケアでは利用者が自立した日常生活を送るためのリハビリとして、身体機能の向上を狙うレクリエーションやゲームを行う場所が多いです。
デイサービスとデイケアの3つの違い
デイサービスもデイケアも「通所して介護サービスを受ける施設」という意味では同じですが、大きな違いが3つあります。
それぞれを知り、利用者に適した施設を選んでみてください。
①医師の有無
まず大きな違いですが、デイサービスには常勤の医師がおらず、デイケアには常勤の医師がいます。
デイサービスは利用者の状況や要望に合わせて身体機能の維持を目的としますが、デイケアは医師の指示のもとリハビリを行い、身体機能の回復や向上を図る場所です。
そのため、身体機能の低下や閉じこもり傾向の見られる高齢者はデイサービスを利用し、骨折や関節症などケガや病気があり、医療行為を希望する場合はデイケアの利用が適していると言えます。
②利用目的と提供サービス
デイサービスとデイケアはどちらも介護サービスを受けることができる場所ですが、デイサービスは利用者の身体機能の維持や介護する家族の負担軽減という目的があります。
一方、デイケアの利用目的は、リハビリによる身体機能の回復や向上です。
利用目的に応じてスタッフも異なり、提供サービスの質も異なります。
デイケアには作業療法士などのリハビリ専門職が必ずいるため、より専門的な介護サービスを受けることができますが、デイサービスは必ず専門職が介護サービスを行うかは分かりません。
身体にケガや病気などがあり専門的なサービスを受けたい人はデイケアを利用し、利用者の日常生活能力の維持や介護者の負担を減らしたい場合はデイサービスの利用を検討してみましょう。
③料金
デイサービスとデイケアの利用料金にも違いがあり、医師やリハビリ専門職が必ずいて医療行為を行うデイケアの方が1回あたり100~300円程度高くなります。
各自治体や利用者の要介護度などで詳細な料金は変わります。
利用料金のほかにも、送迎がある場合は送迎費や、雑費としてお茶菓子やオムツなどの料金もかかるため、デイサービスとデイケアでどちらが安いとは言い切れません。
基本料金で比較するとデイサービスの方が安く利用できますが、事前に利用予定の施設に連絡したり調べておき、おおよその金額を把握するようにしましょう。
まとめ
デイサービスとデイケアはどちらも通所型の介護サービスで、食事や入浴、排せつなどの機能訓練を受けることができる施設ですが、利用者の状況や利用目的によって選び方が変わります。
デイサービスの利用を判断する場合は以下が考えられます。
- 利用者の日常生活能力の低下が気になり、生活能力を維持したい
- 介護する家族の負担を減らしたい
- 大きなケガや病気はなく、医療行為は必要ない
一方、デイケアの利用を判断する場合は以下が考えられます。
- 利用者が自立した生活を送るために、生活能力を向上したい
- ケガや病気があり、医師の指示のもと医療行為を受けたい
- 介護よりもリハビリをメインに受けたい
どちらも料金のかかるサービスですが、家族の介護だけでは家族の心身が疲弊しやすいです。
3つの違いを参考に利用者に適した施設を選び、心身や経済的な負担を減らしていきましょう。