認知症の正しい接し方とは?3つの心がけを覚えておこう
認知症の家族との会話が上手く通じないこともしばしばあります。「コミュニケーション方法をどうすればいいかわからない」と困っているのは、決してあなただけではありません。
そんなときはできる範囲で構いませんので、プロの方もやっている接し方のコツを真似すれば、お互いがスムーズに生活しやすい対応方法を模索していくことができます。
認知症の家族と暮らす方を始め、施設で暮らす認知症の家族と再会するときは、ぜひ3つの心がけを参考にしてみてください。
認知症の家族との接し方で大事な3つのポイント
病気のせいで仕方ないと理解しながらも、認知症の家族と会話が通じず、不満を抱えてしまうときもあるかと思います。
認知症の症状から同じ言動を繰り返したり、不安な感情を表に出しがちになったりしているときは、以下で紹介する3つの接し方を思い出しながら、無理のない範囲で取り入れてみてください。
一緒の目線に立って会話をする
認知症の家族と接するときは、同じ視線の高さに合わせて話すように心がけましょう。
「ちゃんと目を見て話してもらう」というコミュニケーション方法は、相手に安心感を与えるからです。
その日の体調によっては、本人から返事や反応が得られないこともありますが、同じように無視したり、イライラした気持ちをぶつけたりするのは良くありません。
穏やかな気持ちが続きやすくなれば、介護で関わるときも対応がしやすくなります。
優しく接してもらったという「いい感情」を相手に残すためには、中腰や膝をついて視線の高さを合わせてみてください。
傾聴・安心できるような声かけをする
感情の起伏があるときも不安な気持ちに寄りそう形で、否定せずにゆっくり話を聴いてあげましょう。
笑顔で接してあげると、本人にも安心感が伝わり気持ちが安定しやすくなります。「ありがとう」など、感謝の言葉を口に出して伝えることも大切です。
認知症の家族に対して、一人の人間として尊重する心構えが必要になります。
後ろから急に話しかけない・命令口調に気をつける
認知症の家族と接するときは、本人を驚かせるような言動は控えることが基本です。
後ろからでなく前から声をかけることで、安心して会話ができるだけでなく高齢者の転倒を防げます。
また、病気の症状から暴言を吐いてしまうこともありますが、言い返してしまうと悪循環を招いてしまいます。
日常生活では「○○したくない」といった拒否行動を示す場合があるものの、命令口調で無理やり行動させてしまうのは避けましょう。
一人で悩んだときはプロに相談してみる
認知症の家族が身内にいる状況は、当人たちにしかわからない辛さがあるものです。
「誰かに話を聞いてほしい」と、心と体が疲れてしまうときもありますよね。そんなときは、地域の相談サポートである「地域包括支援センター」や「認知症カフェ」を活用してみてください。
無料で利用できるメリットがあり、一人で抱え込んでしまわないための予防策にもつながります。
※認知症カフェは、数百円程度の費用がかかる場所もあります。
地域包括支援センターを利用する
国の支援事業では、認知症の家族を支援する無料のサービスが実施されています。
例えば、地域包括支援センターでは、専門家である「保健師」「社会福祉士」「主任ケアマネジャー」などが家族の悩み相談に耳を傾けてくれます。
介護が必要な方のケアプランを作成、介護に関する相談全般の対応に応じてくれますよ。
認知症の方を抱える家族も日々利用しているので、安心して足を運んでみてください。
認知症カフェで悩みや意見を交換する
認知症に関わるさまざまな人が交流できるカフェです。各地域の病院、地域包括支援センターなどが実施。認知症本人やその家族、医療の関係者などが活用しています。
一人で悩みを抱えることを予防できる利点があり、地域で暮らすさまざまな方と交流することが可能です。
お茶を飲みながら雑談や情報交換ができるため、心がホッとする時間ができるだけでなく、認知症に関する知らないサービスを知れるきっかけにつながります。
まとめ
認知症の家族と暮らす方、施設で暮らす認知症の家族と再会するときの接し方について紹介してきました。
認知症を抱える本人やその家族が、お互いに生活しやすくなるためにできる3つの接し方をもう一度おさらいしておきましょう。
- 一緒の目線に立って会話をする
- 傾聴・安心できるような声かけをする
- 後ろから急に話しかけない・命令口調に気をつける
自分一人で辛い気持ちを抱えるときは、ぜひ地域の支援サービスである「地域包括支援センター」や「認知症カフェ」にも訪れてみてください。