老人保健施設美樹の園~生活の力を取り戻し在宅復帰へ、笑顔のお手伝い~
堺市の老人保健施設美樹の園は、泉北ニュータウン近くの緑豊かな環境に恵まれています。敷地にはミカン畑もあり、収穫シーズンには園内でミカン狩りを楽しめます。笑顔で自宅に帰る姿を目指す介護サービスに向けて、事務長の山中勇人(やまなか・はやと)さんは「生活する力を取り戻す生活リハビリに取り組んでいます」と話しています。
施設の特色をお話しください。
在宅復帰に力を入れている「超強化型」の老人保健施設です。在宅復帰率や回転率において高い水準を維持しています。利用者さんや家族との間で「在宅復帰に向けて取り組みますよ」という信頼関係があることが重要です。ケアマネジャーや地域の病院とも、「あそこに相談したら受け入れてくれる」と歓迎される関係づくりを重視しています。
同じ法人が、「美樹の園」という同じ名前の特別養護老人ホームとグループホームも運営していて、同じ法人内の横の連携もあります。
ご自身の役割を教えてください。
事務職員として、この施設で働いて21年になります。
利用者さんに元気になって自宅に帰ってもらうのが老健施設の役割です。在宅復帰のお手伝いをして「ありがとう」と言われることが職員の喜びにつながり、やりがいになります。
事務長としての私の役割は、介護に向き合う職員を支えることです。職場の仲間や上司と話す時間を十分取って悩みも解消して、仕事に取り組んでほしい。そんな働きやすい環境を整えたいと願います。
介護の質を維持し向上させるために、通信教育を受ける制度もあり、職員の能力向上とキャリアアップも応援しています。介護助手という職種も設けて、介護職員が、介護の仕事に専念できるように工夫しました。。
今、どんなことに取り組んでいますか。
介護の現場では、在宅復帰のために、生活の場面であたり前にできることを増やすことを重視しています。歩いたり、食事をしたり、といった基本動作ができるように、リハビリを生活に落とし込んで身体の機能を回復させる。そんな生活リハビリに力を注いでいます。
理学療法士や作業療法士というリハビリ担当の職員だけでなく、在宅に戻る前提で普通に生活を送る力を取り戻す生活リハビリに、多職種の職員みんなが取り組んでいます。
同じ法人の特別養護老人ホームやグループホームと一緒に、広報委員となった介護職員が毎月、笑顔の写真をふんだんに使ったカラフルな広報紙「美樹の園だより」を発行しています。2020年春、ホームページを刷新して、ブログも始めました。ブログには、ミカン畑で取れたミカンの話題など、軽いタッチで楽しい読み物が紹介されています。この施設で働くことを望む就職希望者にも読まれるなど、思わぬところで反響もあるようです。
新型コロナウイルスの感染拡大には、どのような対策を取りましたか。
新型コロナウイルス対策のため、直接会えないので、タブレットを活用したオンライン面会を実施しています。タブレット越しに映像を見るだけでも「顔を見て安心できた」とご家族に喜んでいただけます。
面会の制限をカバーするために、ご家族あてに利用者さんの写真を添えて手紙を送った職員もいます。この年始には、コロナ禍で面会が制限されたご家族に、利用者さんの生活ぶりを紹介しようと、ご本人の写真を貼った年賀状を送りました。
今後、どのような取り組みができたらいいですか。
訪問リハビリのサービスを提供する体制を取りたいと考えています。生活の場は自宅になりますので、在宅生活を続けながら身体の機能回復を支援することも老健施設の役割です。家でリハビリができると生活の中で元気を取り戻せます。自宅の生活を続けたまま、機能を回復させるリハビリのお手伝いはきっと需要があると思います。
おれんじねっとを通じて、ひとことをお願いします。
困ったことがあれば何でも相談してください。電話でも、直接来ていたただいても対応いたします。「あそこに相談したら助けてもらえる」と信頼される施設でありたいのです。近所の人から聞いたと口コミで評判が広がることもあります。「家に帰るためには、ここに来たほうがいいよ」と老健施設の役割を広く知ってほしいと願っています。
施設案内
社会福祉法人美木多園 老人保健施設美樹の園
所在地:堺市南区美木多上1359-2
電話:072-296-1333
入所定員:80人
通所定員:40人
執筆:おれんじねっと記者 中尾卓司
1966年4月、兵庫県丹波篠山市生まれ。 |