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箕面市立介護老人保健施設 ~可能性は無限大、なじみの関係を大切に~

2020年12月16日

箕面市立介護老人保健施設は、周囲の自然環境に恵まれた「みのおライフプラザ(総合保健福祉センター)」内にあります。敷地の横には市立病院もあり、市の福祉行政や医療と連携して地域社会に密着した施設となっています。介護福祉士の吉田秀幸(よしだ・ひでゆき)さんは「介護の可能性は無限大です」と話しています。

施設の特色を教えてください。

箕面市立の老健施設であり、市社会福祉協議会が指定管理者として運営を担っています。地域住民のみなさんにも親しみやすい施設となるように、利用者さんとの信頼関係を重視しています。私も含めて、平成8年7月に開設された当初から働く職員が何人もいます。なじみの顔がいると入りやすいのでしょう。「知った人がいてくれるから、安心やわ」と声を掛けてもらいます。

吉田さんの役割と仕事を教えてください。

開設当初から働いて24年になりますね。入所フロアの主査を任されています。
高校時代に、特別養護老人ホームでボランティア活動を経験しました。利用者さんに「来てくれてよかった。ありがとう」と言われたことが印象に残りました。「お年寄りに、こんなに感謝される仕事がある」と知り、介護の分野で働くきっかけになりました。
認知症の方も、そうでない方も、一緒に過ごされています。ともに日々の生活を送っていると入所者同士の仲間意識が生まれるようで、「あの人、あっちに歩いて行ったで」と気に掛けてくれる人間関係ができています。
生活に張りとうるおいがあるように、一日じゅう、何かの活動を取り入れます。歩くのも、食事も、生活の動作すべてがリハビリになると考えます。レクリエーションとして活動する輪投げでも、かがんでひざひじの関節を動かす。集中力と筋力を使う。楽しみでもあり、しかも身体能力を維持する運動にもなります。

どんなときに、やりがいを感じますか。

利用者さんから「来てよかった」「あなたに出会えて、よかった」と喜ばれることが励みになります。介護の仕事に終わりはありません。小さな工夫の積み重ねです。やればやるほど奥は深く、可能性は無限大です。
同じことを繰り返しているようでも、経験を積むほど対応の選択肢が増えます。介護に正解はありません。悩みながら、苦労しながら、いい方法を探ります。
初めて入所された利用者さんも、環境に慣れてくると当初の緊張や警戒が解けていきます。「どうしましたか」と意識しておだやかに話し掛けるとか、声のトーンや目線にも気を配ります。パタパタと忙しそうに歩いたり、言葉尻がきつくなったりと、こちらに余裕がない態度で接すると、その雰囲気を敏感に感じ取られますから。

これから、どのようなことに取り組みたいですか。

利用者さんから、「あそこに行けば、元気になる」「楽しいから行きたい」と受け止められる施設を目指しています。職員の教育も力を入れていきたい。介護の研修に出かけて、よその事業所も訪ねて見聞を広めてくることを大切にしたいと思います。職員が個々の介護スキルを高めて、学んだことを還元しあって組織の活性化につなげていきます。

おれんじねっとを通じて、ひとことをお願いします。

一人で抱え込まないことが大事です。このサイトの記事を読んで、どんな施設なのか、どんな人が働いているのか、老健施設を知るきっかけにしてほしいですね。そして、気軽に訪ねてみよう、相談してみよう、と行動に移してもらえるとうれしい。よりよい介護を目指して、私たちも悩みながら日々の仕事に向き合っています。「しんどいのは、自分だけじゃない。わかる、わかる」と共感が広がっていくことを願っています。

施設案内


社会福祉法人箕面市社会福祉協議会 箕面市立介護老人保健施設
所在地:大阪府箕面市萱野5-8-2
電話:072-727-9530
入所定員100人
通所定員40人

執筆:おれんじねっと記者  中尾卓司

1966年4月、兵庫県丹波篠山市生まれ。
1990年4月、毎日新聞入社。大阪社会部、外信部、ウィーン支局、社会部編集委員を経て、2020年3月、毎日新聞を早期退職。記者一筋に30年の経験を生かして、おれんじねっとの取材チームに加わり、記者活動を展開中。「つなぐ、つながる、つなげる」を掲げて新しい情報発信のかたちを提案している。
大阪大学箕面キャンパス「現代ジャーナリズム論」非常勤講師
関西大学社会学部「ジャーナリズム論」「時事問題研究2」非常勤講師