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老人性うつとは?認知症と勘違いすると危険な理由

2020年8月26日
  • 最近元気が無くなってきた
  • 積極的に外出しなくなった
  • もしかすると認知症かな?

ご家族に対してもしこのような気付きがあれば、それは認知症ではなく「老人性うつ」の可能性があります。この2つは似て非なるもので、治療方法が全く異なるために勘違いしてしまうと非常に危険です。

今回は「老人性うつとは?認知症と勘違いすると危険な理由」についてご紹介します。

 

老人性うつとは?

老人性うつとは、どのような病気なのでしょうか?

記憶力が落ちてしまったり、集中力が続かないなどが主な症状です。今まではおしゃれをして出かけていたのに、その興味が無くなって外出する頻度そのものが減ってしまったりすることにも繋がります。今までできていたことが出来なくなったことへの劣等感を感じて、悪化すれば自殺を考えるようになるなど、悪化すれば危険な病気の一つです。

 

治る病気

認知症は治らないと言われていますが、それに対して老人性うつは治る病気です。だからこそ、早期発見により正しい対処をすることが状況の改善に繋がります。しかし、どうしても年齢からくる物忘れや認知症と判断されてしまって、その予防対策だけに奮闘してしまうことになれば、せっかく治る段階の病気が悪化する一方になります。そうならないためにも、認知症の症状との違いを理解しておき、その兆候があればすぐに医療機関へ相談し、必要であれば薬を処方してもらいましょう。

症状のすべてを把握して、その違いに気づくとなれば困難です。しかし、認知症だと思っても、自分で決めつけてしまわず「まずは専門機関へ相談をする」ということが徹底できていれば、もし老人性うつであっても早期対処につながります。思い込みと決めつけが事態をより悪化する危険性を秘めているということを理解しておきましょう。

 

認知症との違い

それでは認知症との大きな違いをいくつかご紹介しておきます。

  1. 症状の進行
    認知症の場合は、日に日に症状が進行していきますね。それに比べて、老人性うつの場合は環境の変化などをきっかけに起こります。短時間で症状が現れたりなど、なにか原因があって起こっていると感じれば、該当する可能性があります。
  2. 自分を責める
    今まで出来ていたことができなくなり、それによって周りに迷惑をかけてしまっていると感じて自分を責める傾向にあるのが老人性うつです。認知症の場合は、自分の状態を把握する能力事態が衰えてしまうため、ここにも大きな違いが現れる傾向にあります。もし自分自身を責めるような発言が多くなってきたり、いきなり発する用になれば注意しておきましょう。
  3. 質問に対する受け答え
    もしこちらからのアプローチで確認をする際には、なにか質問を投げかけてみるとその兆候に気づけるかも知れません。認知症の場合、進行度にもよりますが、質問に対して全く見当違いの返答が返ってくることがあります。それに対して老人性うつの方は、必要以上に質問を考えんでしまい、回答が言葉として出てこないということがあります。投げかけに対してどのように反応するのかをよく見てあげることで、その違いに気付ける可能性があります。

大まかな症状として捉えてしまえば認知症と似ていると感じてしまうかも知れませんが、その一つ一つをよく見てあげるとその違いがわかります。もちろん、これだけを押さえておけば100%安心ということではありません。あくまで参考として、その兆候があれば必ず専門機関へ相談するして判断を仰ぐようにしましょう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は「老人性うつとは?認知症と勘違いすると危険な理由」についてご紹介しました。

もしご家族で「認知症かも知れない」「最近元気が無くなってきた」と感じることがあれば、安易に決めつけてしまわずに専門機関へ相談してみましょう。

ぜひ参考にしてくださいね。

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