Q：先生、改めて、うちの家族の場合、どんなことに注意すればいいでしょうか

　そうですね。毎日、本人も家族も心地よく暮らすことを目指したいところですね。
ひょっとすると、今までと同じでよいのではないでしょうか。必要なのは、考え方を少し変え、少し工夫し、本人をサポートすることですよ。

認知症と診断され、不安になるのは、本人だけでなく、家族も同じです。「不安や焦り」があると、「何とかしよう」と考えてしまいがちですが、そのような気持ちは、本人を追い詰めてしまいます。

本人にとって好ましいのは、以前と同じような暮らしができることです。介護保険サービスを活用し、プロの力も借りるつもりでいましょう。家族が機嫌よく暮らせると、本人も落ち着いて暮らせます。

　以前からいつでも一緒にはいたくない家族と、「見守らないと」と心理的な距離を締めると、窮屈に感じてしまいますよ。以前と同じような距離感を保ち、ゆったりと構えていましょう。

そのうえで、本人が「好き」「したい」と思うことを探すようにしましょう。というのは、本人が認知症を理由に生活を変えてしまうこともあるからです。家族は本人の認知機能能力を「過小評価」も「過大評価」もしないで、苦手なことだけサポートするつもりでいれば、十分です。

参考：NHKきょうの健康「家族のための認知症ケア」