認知症の家族、どうなったら入所を考えるのでしょうか?

Q:入居を考えるタイミングを教えてください
わかりました。今日は認知症の方が入居できる施設のお話をしますね
施設というと老人ホームというイメージがありますが、種類はたくさんあります。
大きく分けると、地方自治体や社会福祉法人が運営する公的施設と民間企業が運営する民間施設があります。選ぶ時には、医療的なケアを受けたいのか、小規模な雰囲気で過ごしたいかなど、本人や家族の希望に沿って考えましょう。
Q:いろんな種類があるので、どの施設を利用できるのか?がわかりにくいです
そうですね。一般的には要介護度が高くなると、介護にかかる時間も手間も増え、入居を考えるようになるでしょう。
ただ、家族の介護力はそれぞれ違います。どういうときが来たら入所を検討するのか、今のうちから考えておくのが大切ですね。
よくある具体的なタイミングを以下の表にまとめてみました。
内容 | |
本人 | ・外出中に行方不明になる、一人歩きをする
・排泄の失敗が増える、一人でトイレに行けない ・食事を自分で食べられなくなった ・家族と衝突し暴言・暴力が見られるようになった |
介護者 | ・介護者が高齢になり、介護が難しくなった
・四六時中、介護のことが頭から離れない ・睡眠時間が削られる、体力・気力が続かない ・病気やけがをして、介護が続けられない ・目が離せない状況になり、家事や仕事ができない |
施設入所は、ご本人にとっても家族にとっても大きな決断です。
焦らず、慎重に検討できるように、早めに情報収集しましょう。そのとき、私たち専門家も上手に使ってください。地域包括支援センターや医療機関のソーシャルワーカーなどの専門家に相談すると、適切なアドバイスや支援を受けられます。
ご本人の意思を尊重し、家族全員が納得できる形で決めることが重要です。
参考:「家族のためのはじめての認知症ケアガイド」松永慎史著 中央法規出版 p.144~