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フレイルという言葉をご存知でしょうか?

2023年5月17日

こんにちは。
健康ラボステーションの大原です。
今回は、「フレイル」についてお話しします。

フレイルという言葉を皆さん聞いたことはありますか?
フレイルとは、「加齢により、心身が衰えた状態」を言い、健康な状態と要介護状態の間の段階を指します。

フレイルには筋肉量の低下、体重減少等の身体的フレイル、孤立や閉じこもりなどの社会的フレイル、認知機能障害やうつなどの精神・心理的フレイルの3つがあります。

3つは互いに影響し合い、要介護状態になりやすい特徴があります。

介護が必要になる原因に、高齢による衰弱や、骨折・転倒、関節疾患がありますが、これはすべてフレイルに関係しているとされているため、要介護にならないためにもフレイル対策をするのは重要です。

フレイルのセルフチェック

フレイルには評価基準というものがあり、5項目のうち3項目以上当てはまるとフレイル、1項目または2項目当てはまればプレフレイル(フレイルの前段階)とされています。

しかし、この評価はなかなか自分自身で判断することは難しいため、今回はイレブンチェックというセルフチェックをご紹介します。

はい、いいえどちらに当てはまるか、〇をつけてみましょう。


白い欄の丸が多いと、フレイルのリスクは低いとされていますが、一方で、赤い欄に丸が多い場合はフレイルのリスクが高まります。

赤い欄の丸が1つ増えるごとにリスクが2倍になるとされており、6つ以上になると、リスクがさらに高まります。

フレイルの対策ではなにが大事!?

フレイルの対策には、以下の4つが重要だとされています。

①栄養
②口腔
③運動
④社会参加

今回は①と②についてお伝えします。

①栄養
フレイルの予防には、たんぱく質を不足することなく摂ることが重要です。
たんぱく質が不足すると筋肉量が低下し、フレイルを招きやすくなります。
1日のたんぱく質量については、2021.11【サルコペニアを予防しよう!】のコラムをご確認ください。手軽に摂れるたんぱく質としては、牛乳やヨーグルトといった乳製品、サバ缶やツナ缶などの缶詰類、豆腐や納豆などの大豆製品があります。これらの食品は調理せず活用できるため、そのまま食べたり、おかずにトッピングしたりしましょう!

②口腔
噛んだり、飲み込んだり、話したりするための口腔機能が衰えることをオーラルフレイルと言います。オーラルフレイルは、フレイルの進行の前兆とされており、噛む力や舌の動きが悪化することで、食事が困難になり体重減少を招いたり、滑舌が悪くなることで人と話すことを避け、結果的に社会との関わりを減少させたりと、フレイルと密接に関係します。そのため、フレイル予防には、口腔機能を保つことが重要だとされています。
口腔機能を保つためには、様々な運動がありますが、今回は2種類ご紹介します。

【口の体操】

口周りや舌の筋力を高めることで、口腔機能が向上し、唾液が出やすくなり、食べ物を飲み込みやすくさせる。

①「ウー」と発音し、口をすぼめる。
②「イー」と発音し、口を横に開く。

③①と②を繰り返す。

【開口訓練】

食事中のむせ症状の改善に繋げる。

①ゆっくりと口を開けて10秒間保つ。
②しっかりと口を閉じて10秒間休憩する。
※口を開く時には、無理をせず痛みが出ない程度にしましょう。

フレイルに陥らないこと、フレイルを進行させないことが大事です。
まずは、フレイルというものが何かを知り、日々の生活を見直すきっかけになれば幸いです。

作成:認定NPO法人 健康ラボステーション 管理栄養士 大原 奈緒

神戸女子大学卒業後、2019年 4 月に認定 NPO 法人健康ラボステーションへ入社。
管理栄養士・フードスペシャリスト・介護食アドバイザーの資格を所持。
FacebookやInstagramなどのSNSを中心にレシピや健康コラムの情報を発信。食育、災害食・介護食についても今後情報を発信していきたいと検討中。

 

 

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