体内時計、実は生活習慣病にも関わっている?
こんにちは。
健康ラボステーションの大原です。
今回は、「体内時計」についてお話しします。
人には、1日周期でリズムを刻む「体内時計」が備わっています。
1日は24時間のところ、人の体内時計は、約25時間とされています。
毎日約1時間の差があり、この差がリセットできず毎日積み重なると、大きなズレに繋がり、体内時計が狂ってしまいます。その状態が続くと、睡眠障害などを引き起こすとされています。さらには睡眠障害だけでなく、体内時計は血圧や血糖、ホルモン分泌を調整しているため、体内時計が上手く働かないことによる疲労感、食欲や集中力の低下などの症状が起きたり、高血圧や脂質異常症、糖尿病、がんなどの生活習慣病に罹りやすくなったりするとも言われています。
体内時計を正しく戻すには?
体内時計をリセットさせるには、以下の方法があります。
①起床後、光を浴びる
どの位の光の強さが必要かというと、2,500ルクス以上の光が必要だと言われています。一般的な家庭の室内の照明は100~1,000ルクス未満のため、ご家庭にある照明では体内時計をリセットすることはなかなか難しいとされています。日光は2,500ルクス以上あるため、ベランダに出たり、窓から光を浴びたりするようにしましょう。雨や曇りの日でも2,500ルクス以上の光があるとされているため、天候に関わらず、光を浴びるようにすると良いでしょう。
また、光を浴びることで、メラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンの分泌が抑制されることで、眠気を覚まし、活動的に過ごすことができます。日中の血液中のメラトニン量は少なくなり、起床後14~16時間に再び分泌量が増加するとされ、分泌量が増加すると、メラトニンの作用により深部体温が低下し、眠気を感じます。メラトニンは入眠を促すほか、抗酸化作用により新陳代謝を促し、病気の予防や老化を防ぐ効果があると言われています。夜に強い光(携帯などの光)を浴びると、メラトニンの分泌が抑制され、体が覚醒状態になるため、寝る30分前位には携帯の使用を控えるようにしましょう。
②朝食を食べる
食事を摂ると血糖値が上がるのですが、インスリンというホルモンが血糖値を一定にさせると同時に、体内時計もリセットさせる働きがあると言われています。
朝食を摂られていない方はヨーグルトやシリアルなど、簡単なものからで良いので摂るようにしましょう!
夕食を摂る時間帯によっては太りやすくなる?
朝食のことをお伝えさせていただきましたが、皆さん夕食は何時頃に召し上がっていますか?「夕食は早い時間帯に摂る方が良い。」と一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。それはBMAL1(ビーマルワン)と呼ばれる、脂肪合成を促進するたんぱく質が急増するのが、21時以降とされており、21時以降に夕食を食べると体脂肪として蓄積されやすくなります。
また夜遅い時間帯や睡眠時はリラックス時に働く副交感神経が優位になることで代謝が抑制されるため、これも太りやすくなる理由の一つです。
全く同じものを摂っていても、時間帯によって太りやすくなってしまうことは驚きですよね。夕食がどうしても遅くなる遅くなってしまう方は、食べる量を少なめにしたり、消化に時間のかかる揚げ物などを控えるようにしましょう。
作成:認定NPO法人 健康ラボステーション 管理栄養士 大原 奈緒
神戸女子大学卒業後、2019年 4 月に認定 NPO 法人健康ラボステーションへ入社。管理栄養士・フードスペシャリストの資格を所持。現在、介護食アドバイザーの資格取得のため、勉強中。 |