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体型に対して間違った認識をしていませんか?

2023年2月15日

こんにちは。
健康ラボステーションの大原です。

前回、肥満に関するお話をさせていただきましたが、今回は『痩せ』についてのお話です。BMIが18.5未満の場合、痩せと判定されます。BMIの算出方法は「体重管理していますか?~肥満は認知症のリスクにも繋がる?~」のコラムよりご確認ください。

肥満が生活習慣病などの病気のリスクを高めることはご存知の方も多いかと思いますが、痩せについてはどうでしょう?肥満でなく、痩せている方が良い?

実は痩せすぎというのもよくありません。

令和元年の国民健康栄養調査で、20代女性の20.7%が痩せだと報告されています。この割合は先進国の中で最も高いとされています。

なぜこんなに日本人に痩せが多いのかというと、「痩せている方が良い」といった間違った認識、ダイエット法の普及が影響していると言われています。

痩せ女性のデメリット

順天堂大学が行った研究で、痩せの女性は血糖値を下げる働きのあるインスリンの分泌が低下しているだけでなく、肥満者に特徴的なインスリン抵抗性(インスリンの作用が鈍くなること)も中年肥満者と同程度生じていることが明らかにされています。併せてインスリン抵抗性の原因になるとされる遊離脂肪酸が大量に発生していることも報告されています。痩せていても肥満と同等に糖尿病のリスクが高くなるため、単に痩せているから良いというのは、間違いだと分かるかと思います。

影響するのは自分の体だけではない?


痩せの女性から生まれる子供は栄養が足りず、低体重出生児(出生体重2500g未満)として生まれてくる確率が高いとされています。

低体重として生まれてきた子は、エネルギーを溜め込みやすい体質となり、後々生活習慣病などに罹りやすいと報告されています。

体重を増やすための方法を知ろう!

デメリットなどをお伝えしましたが、中には、体質的に太りにくいという方もおられるかと思いますので、対策をお伝えさせていただきます。

1回の食事量が少ない人や、体質で痩せている方の場合…

①3食以外に食事をする。
1回に食べられる量が少なく、なかなか体重を増やすのが難しいという方は、3食以外で食事をすると良いでしょう。ただし、食事と言っても、菓子パンやお菓子などを摂ると、糖質や脂質にバランスが偏ってしまうため、筋肉の材料になるたんぱく質を摂るようにしましょう。手軽に摂れるチーズやサラダチキン、ゆで卵などがおすすめです。

②補食を活用する。
高エネルギー食というものがドラックストアなどで販売されています。少し値段が高くなってしまいますが、通常の食品に比べてエネルギーが高いのが特徴で、飲料やゼリー、茶碗蒸しなど様々な種類があります。介護食として活用されていますが、食欲が湧かない時や、1回の食事量が少ない場合は、手軽に摂ることが出来るので、良ければ活用してみてください。

痩せに対するデメリットなど様々お伝えさせていただきましたが、まずは自分自身の体について知ることが重要です。BMIを算出することや、体型に対して間違った認識をしていないかを、コラムを通して確認するきっかけになれば幸いです。

作成:認定NPO法人 健康ラボステーション 管理栄養士 大原 奈緒

神戸女子大学卒業後、2019年 4 月に認定 NPO 法人健康ラボステーションへ入社。管理栄養士・フードスペシャリストの資格を所持。現在、介護食アドバイザーの資格取得のため、勉強中。
FacebookやInstagramなどのSNSを中心にレシピや健康コラムの情報を発信。食育、災害食・介護食についても今後情報を発信していきたいと検討中。

 

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