夏バテの原因って暑さだけ?
こんにちは!健康ラボステーションの樋口です。
今回のテーマは「夏バテ」についてです。
夏バテをしてしまうと、前回お伝えした低栄養を引き起こす可能性があるため、しっかり注意して、暑い夏を元気に乗り切りましょう。
夏バテの原因
夏バテの原因として、今回は大きく4つに分けて説明します。
①発汗の異常
高温多湿の環境が続くと、汗の出口周辺が詰まり、汗が出にくくなることがあります。
汗は体の熱を下げる働きがあるため、汗が出にくくなると、体温調節がうまくいかなくなります。
逆に、夏場に外に出ると、ほんの少し動いただけでも汗をかきますよね。
汗をたくさんかくと、体の水分が不足し、脱水状態になることがあります。
脱水状態になると、それ以上汗をかきにくくなり、体温調節も困難になります。
②睡眠不足
今はエアコンの室外機や、都市部の住宅密集化が原因で、夜でも気温が下がりにくくなっています。暑くて寝苦しい状態が続くと、睡眠不足に陥りやすくなり、睡眠不足が続くと、日中の疲れを回復できずに夏バテを引き起こします。
③食欲の低下
夏は暑さによる疲れから、消化器の機能も低下しやすいと考えられています。
すると食欲がなくなり、そうめんなどの喉の通りがいいものばかり食べてしまい、体力の回復が出来ずにまた疲労感が増す…という負のスパイラルを引き起こします。
さらに、暑いからといって冷たい飲み物や食べ物ばかり食べていると、冷えで胃腸の働きが低下し、下痢を招くことがあります。
下痢は脱水症状を引き起こす恐れがあるため、冷たいものの食べすぎには十分注意が必要です。
④温度差
外はジリジリと暑く、中はエアコンでキンキンに冷えている…。このような室外と室内の温度差は、自律神経の乱れを引き起こします。
自律神経が乱れると、これまでにお話した①発汗の異常、②睡眠不足、③食欲の低下の全てを引き起こしたり、悪化させたりすることがあります。
解決策を知って、暑い夏を乗り切ろう
このように、夏バテは暑さだけが原因でなく、様々な要因が絡み合っています。
1つ1つ原因と解決策を知り、未然に防ぎましょう。
まず、①発汗の異常に対する対策は、水分補給を行うことです。
脱水症状を起こさないためには、のどが渇いたと感じる前に、適宜水分を補給することが重要です。冷たすぎると胃腸の働きを弱める可能性がありますので、吸収しやすい10℃前後の、水や経口補水液などを飲みましょう。
②睡眠不足を防ぐには、寝室の環境を整えることと、寝る前の習慣を見直すことが必要です。
快眠できる室温は26~28℃と言われています。熱中症を引き起こさないためにも、就寝中もエアコンで温度調節を行うことをおすすめします。
また、寝る前に、「寝酒をする」「スマホやテレビを見る」「熱いお風呂に入る」という方は、眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりするため注意しましょう。
③食欲の低下を防ぐポイントは量より質です。
なんでもいいからたくさん食べる…ではなく、ビタミンB1やアリシンなど、疲労軽減効果のある栄養素を含む食品を食べましょう。
最後に④温度差については、室内外の気温差が5℃以上にならないように、エアコンを設定することで防ぐことが出来ます。
職場など自分の感覚でエアコンを調整できないという場合は、首、手首、足首などをできるだけ出さないようにすることで、体が急速に冷えるのを防ぐことができます。
夏バテにより疲労が溜まると、免疫力が落ちて風邪などを引き起こすことがあります。
生活習慣に気を付けて、元気に夏を乗り切りましょう。
作成:認定NPO法人 健康ラボステーション 管理栄養士 樋口 遥香
大手前栄養学院専門学校卒業後、2016年4月に認定NPO法人健康ラボステーションへ入社。管理栄養士・介護食コーディネーターの資格を所持。 |