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認知症の嚥下障害とは?症状と食支援を解説!

2021年6月9日

認知症と言えば、食事したこと自体を思い出せない記憶障害や徘徊などの症状はよく知られていますが、「嚥下(えんげ)障害」もみられることはご存じでしょうか。
認知症の進行具合や種類によって嚥下障害はよくある症状と言えます。
今回は嚥下障害の症状や支援法について解説していきます。
認知症に限らず高齢者に関連ある症状なため、是非最後までご覧ください。

嚥下障害とは

嚥下障害とは、食べ物を口の中に含み、食道を通して胃へと送り込む一連の流れが何かしらの原因で機能しづらくなることを指します。
食べ物を口に入れ、咀嚼することを「摂食」というため、「摂食嚥下障害」と呼ばれることもあります。
何度もむせてしまって食事の摂取が難しくなることや、食べ物が間違って気管に入ってしまうこと「誤嚥(ごえん)」が嚥下障害の主な症状です。
特に、誤嚥による肺炎は嚥下障害の代表的な症状でもあるため、高齢者の食事には注意が必要と言えます。

認知症の嚥下障害の症状特徴

認知症の嚥下障害の特徴は、主に①摂食開始の困難、②摂食の中断、③食の乱れの3つです。
摂食開始の困難では、認知機能の低下により食べ物を口に運ぶ動作ができなくなることを指します。
摂食の中断は、居眠りや便秘など身体的な変化や、注意の持続が困難になるため食事の手を止めてしまうことです。
食の乱れについては、手先の運動機能が衰え、適切な量の食事がとりづらくなる場合があります。
さらに、認知症の嚥下障害の症状特徴を2点紹介します。

中期以降に見られやすい

認知症が進行し、認知機能や身体機能の低下が目立ち始める中期以降に嚥下障害は見られやすくなります。
認知症の原因と言われる脳の萎縮が進行してしまうと、嚥下機能そのものに障害が起きてしまうためです。
嚥下機能の障害として、以下のような生活例が挙げられます。

  • 傾眠傾向で食事が中断してしまう
  • 性格の変化や頑固さから偏食が見られてしまう
  • 見当識障害が見られ、食事をしようとしない

など。

記憶障害だけでなく食事中に違和感がある場合は、認知症の進行や嚥下障害の可能性も考えられるため、十分な経過観察が必要です。

レビー小体型認知症の誤嚥が目立つ

嚥下障害は、認知症の中でもレビー小体型認知症での誤嚥が目立ちます。
レビー小体型認知症の特徴として、手足の痺れや震えなど「パーキンソン症状」があり、食事中にむせてしまう様子が見られやすいです。
また、レビー小体型認知症のもう1つの特徴である「幻視」のため、食べ物に虫やごみが混ざっているなど言い、食事の中断や拒否が起こる場合もあります。
進行の早い病気でもあるため、認知症初期より手足の痺れや震え、幻視などの訴えがある場合は、嚥下障害を視野に入れた介護をしてみましょう。

嚥下障害への食支援

嚥下障害は放っておくと肺炎のほか、窒息の可能性もある危険な症状です。
対応としても、重症化してしまうと胃に穴をあけて直接栄養を摂取する「胃ろう」を行う場合があり、認知症患者の心身への負担が大きくなります。
このような危険を回避するための食支援として、認知症患者が口に含みやすい大きさの食事から始めることが有効です。
一口大程度の食事を促すことで、摂食への負担を減らしながら、食事をするという意識をもたせやすくなります。
また、食事への集中が難しい場合は、1日の食事回数を4~5回に分けるなど1回の食事時間を短くすることで食事の継続を促してみましょう。
食事の際の姿勢も重要で、姿勢が悪いと気管への誤嚥のリスクも高まります。
上体を起こし、正しい姿勢で食事を摂れるような介護も支援になります。
その他の食支援として、飲み込みやすいように食べ物を柔らかくすることも効果的です。

まとめ

食事中にむせたり、食べ物を気管に送ってしまう誤嚥など、嚥下障害は認知機能の低下やパーキンソン症状の生じる認知症と関係のある症状です。
記憶障害や見当識障害から拒食してしまう場合もあり、放っておくと危険な状態へと進行してしまうため、認知症を遅らせる対策を取りつつ、食行動の見守りもしていきましょう。

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