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認知症の被害妄想にはどんな症状がある?対処法をわかりやすく解説!

2021年4月28日

介護に関わる家族からすれば、認知症の被害妄想は理解しがたいと感じる面も少なくありません。
「認知症という病気が原因だから仕方ない」と理解していても、ときにはつらい気持ちになることもあると思います。
今回は、認知症の被害妄想の事例や対処法をまとめました。認知症の家族がいて被害妄想の対応に困っている方は、ぜひ参考にしてください。

認知症の被害妄想とは?

記憶の混乱が起きやすい認知症では、本人が周りから被害を受けたと思い込む症状が出ることもあります。
具体例としては「物を取られた」「周りが悪口を言っている」といった被害妄想です。
身近な人が原因にされることも多く、家族にとっては困ってしまう症状の一つになります。

物を盗まれたと思い込んでしまう

認知症の症状には、本人の思い込みから泥棒に入られたと勘違いすることがあります。
記憶が障害されやすくなった結果、本人が物の置き場所を忘れてしまい「誰かに取られたのではないか?」と原因をすり替えてしまうからです。
他にも「家族がどこかに物を隠した」と、事実に反して被害妄想をしてしまうこともあります。

周りから悪口を言われていると感じてしまう

身近な介護者が自分にひどい言動を取っていると被害妄想をすることがあります。
自分のせいで周りに負担をかけているという罪悪感があり、認知症を抱える本人が自信を持てないと感じた結果、不安や孤独を感じて被害妄想につながるという流れが理由の一つです。
例えば、近所の人に「家族が自分を悪く言っている」など、実際には起きていないことを言い出すことがあげられます。
「家族が自分を見捨てるのではないか」といった不安感など、身近な人に理解されたい気持ちや甘えたい気持ちがあると被害妄想の症状が出やすくなるのです。

認知症の被害妄想に関する対処法は?

家族ができる認知症の被害妄想への対策を簡単にまとめてみました。
「物を取られた」「周りが悪口を言っている」というどちらの事例も、本人に安心感を与えてあげることが大切です。
家族としては「私のせいではないのに」と、つらく感じることもあると思います。ただ、安心感が本人に伝われば、結果としてよい方向に向かいやすくなります。
無理のない範囲で大丈夫なので、以下で紹介する内容を少しずつ日常生活に取り入れてみてください。

話を否定せずに同じ目線で行動する

物を盗まれたと感じてしまう事例の対処法には、まずは本人の話に合わせてあげることが大切です。
実際にはありえないことと理解しながらも、本人の言い分を否定せずに一緒に物を探してあげましょう。
否定してしまうと被害妄想の症状が悪化しやすくなります。演技で構わないので、大変な気持ちに寄り添ってあげる言動が必要です。
同じ目線で行動することで本人が「理解してもらえている」という安心感を得られます。

本人が安心できる接し方を心がける

周りから悪口を言われていると感じてしまう事例の対処法には、疎外感や孤独感を与えないように接することを心がけるとよいでしょう。
具体的には、不安な気持ちに共感してあげる姿勢や被害妄想の原因を一緒に考えてあげることが大切です。
悪口の被害妄想に関して家族が否定してしまうと、本人の孤独感がますます強くなってしまいます。
家族が感謝の気持ちを意識して本人に伝えてあげるなど、安心できる居場所を作ってあげてください。

まとめ

認知症の家族を抱える方に向けて、被害妄想の事例や対処法を解説してきました。
認知症では、記憶に関する障害が出ることで思い込みが悪化した結果「物を取られた」「周りが悪口を言っている」といった症状が出ることもあります。
対処法としては、相手の言い分を否定せずに安心できる態度で受けとめてあげましょう。
本人に安心感が伝わることで、被害妄想の悪化を予防することにつながります。無理をせずに少しずつ取り入れてみてください。

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