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認知症高齢者の日常生活自立度とは?

2021年3月2日

認知症と診断された場合、介護保険の利用を検討する方が多いのではないでしょうか。
介護保険を利用するためには、「認知症高齢者の日常生活自立度」が関わってきます。
今回は、認知症高齢者の日常生活自立度のランクや基準について解説します。
介護保険の利用を検討している方はぜひ参考にしてください。

認知症高齢者の日常生活自立度とは?

「認知症高齢者の日常生活自立度」とは、認知症の高齢者が日常生活をどこまで自力で過ごすことができるのか、介護の必要度をランク化したものです。
9段階に分かれており、厚生労働省が定めた基準を元に、介護の必要度を図ります。

日常生活自立度は、介護保険の要介護認定の際に用いられます。
要介護認定とは、「要支援1・2、要介護1〜5」の区分を認定してもらうことです。
認定する上で、自治体の職員が本人・家族の元を訪問する「認定調査」や「主治医意見書」が必要となりますが、その際に日常生活自立度が活用されます。

医療機関や介護施設でも、ご本人の認知面を表す上で日常生活自立度が用いられます。
ランク化することで、ご本人に関わる看護師・介護士などの専門スタッフが、客観的に判断することもできます。
ちなみに「障害老人の日常生活自立度」と言葉は似ていますが、異なるものです。

認知症高齢者の日常生活自立度のランクについて

ランク 判定基準 見られる症状・行動の例 まとめると
何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している。 【自立レベル】
在宅生活が基本。
日常生活で困ることはなく、一人暮らしは可能な状態。
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。 【見守りレベル】
在宅生活が基本。
金銭管理や服薬管理などは、家族や訪問サービスを利用し、日中援助してもらうことで、一人暮らしは可能な状態。
Ⅱa 家庭外で上記Ⅱの状態がみられる。 たびたび道に迷うとか、買物や事務、金銭管理などそれまでできたことにミスが目立つ等
Ⅱb 家庭内で上記Ⅱの状態がみられる。 服薬管理ができない、電話の応対や訪問者との対応など一人で留守番ができない等
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする。 【介助レベル】
一時も目を離せない状況ではないが、ランクⅡよりも日常生活動作に介護が必要な状態。
家族の介護負担も大きくなるため、夜間も対応可能な訪問・地域密着型サービスなどを利用し、援助してもらうことが必要。
一人暮らしではなく、施設入所を検討し始める段階とも言える。
Ⅲa 日中を中心として上記Ⅲの状態が見られる。 着替え、食事、排便、排尿が上手にできない、時間がかかる。やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声をあげる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為等
Ⅲb 夜間を中心として上記Ⅲの状態が見られる。 ランクⅢaに同じ
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする。 ランクⅢに同じ 【常に介助が必要なレベル】
常に目を離すことができない。
ランクⅢと症状・行動は変わらないが、頻繁に表れるるようになる。
家族の介護負担も大きくなるため、施設入所をせざるを得ない段階とも言える。
M 著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。 せん妄、妄想、興奮、自傷・他害等の精神症状や精神症状に起因する問題行動が継続する状態等 【専門的な介入が必要なレベル】
他害行為があると、施設で生活するのが難しい可能性が高い。
そのため、一定期間精神科や認知症専門病院での治療が必要となる場合がある。

◆参照
厚生労働省「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」の活用について

まとめ

認知高齢者の日常生活自立度の基準について紹介してきました。
要介護認定や本人に関わる専門スタッフが客観的に判断するために、大切なものです。
ただし、認知症のレベルは日常生活自立度が全てではありません。認知症は常に同じ症状や行動が見られるわけではなく、場所やその日によってムラが見られたり、個人差があります。
ランクに記載されていない症状・行動が見られても、慌てずに対応しましょう。

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