認知症の一人暮らしが心配!離れて暮らす家族ができる対応は?
離れて暮らす親が認知症になったらどうしますか。経済的なことを考えると、仕事をやめて介護に専念できる人は少ないでしょう。今回は親が認知症になった時、離れて暮らす家族にできることは何か、どんなことに気を付ければいいのか紹介します。
認知症の一人暮らしで予測できる問題
認知症の一人暮らしは社会問題になっており、超高齢化が続く日本では避けられない課題です。そこには共通した問題が起きており、予測して対処することが可能です。
火災の危険がある
記憶力や注意力の低下から、火の不始末が起こりやすくなります。鍋のかけ忘れやストーブの消し忘れ、たばこの不始末には注意が必要です。
食生活が乱れる
栄養に気を付けることはもちろん、日に3度の食事をすることもままならなくなっていきます。加熱が不十分なものや腐っているものが判別できなくなり、お腹を壊すことも考えられます。
身の回りを清潔に保てない
洋服の着こなしが難しく、気温に合わない服装をしてしまいます。
清潔という観念も認識できなくなるので、体から匂いがしていても気づかないことがあります。
また、排泄を失敗したときの後始末ができなくなり、本人だけでなく室内まで排泄物で汚れてしまうことがあります。
通院・服薬がままならない
通院の日がいつなのか分からなくなっていきます。
薬を飲んだか忘れてしまうので、誰かの声掛けがないと過剰摂取したり、反対に全く飲んでいなかったりします。
糖尿病や高血圧の薬がきちんと飲めないと、急変につながるので気を付けたいところです。
金銭管理ができなくなる
小銭の計算ができなくなりお札だけで買い物するので、財布が小銭でいっぱいになるなどがあります。
銀行の通帳やカードを頻繁になくす、ATMの操作が分からなくなるなど、日常生活が立ち行かなくなります。
行方不明・事故の危険がある
何か用事があって外出しても、ふとどこにいるか分からなくなって行方不明になる恐れがあります。
横断歩道や踏切といった危険な場所も、認知機能が低下していると分からないことがあります。
運転免許を持っている方は、返納について早い段階で話し合いましょう。
詐欺に会いやすい
高齢者をターゲットにした詐欺が横行しています。判断力が低下しているため、詐欺に会いやすくなっているので気を付けなければいけません。
離れて暮らす家族ができる対応
離れて暮らしていてもできることはたくさんあります。
具体的に説明していくので、ぜひ実行してください。
できる範囲で見守る
毎月の支払い状況や通院の有無、残っている薬の量や冷蔵庫の中身、ゴミの溜まり方など、様子を見に行ったとき確認してみることが大切です。
本人が納得すれば、見守り用のカメラを室内に設置して直接声を掛けられるようにすることも検討しましょう。
自宅の環境を整える
室内の冷暖房はタイマーか遠隔操作できるものにする。ガスコンロはできれば認知症になる前にIHコンロに変えておくのがベストですが、認知症になってからだと操作の仕方が覚えられない可能性もあります。そこで、安全装置付きの物にするなどで対応するのがいいでしょう。
ご近所の協力を仰ぐ
昔は認知症を隣近所に隠す傾向がありました。しかし今は、誰が認知症になっても不思議ではないという時代になりました。認知症に対する世間の理解も少しずつ深まっているので、できるだけご近所には事情を説明しておきましょう。さりげなく見守ってもらえるだけでなく、本人が困っているとき助けてもらいやすくなるからです。
本人の精神的なサポートをする
認知症の初期は、できなくなっていくことに対して自覚がある方もいます。身近な家族から指摘されるのは辛いでしょう。一番困っているのは認知症本人だということを忘れずに、辛い気持ちに寄り添ってあげてください。
社会資源を活用する
住んでいる地域には、地域包括支援センターという窓口があります。介護の相談で訪れる人が多い所ですので、一度相談してみるのがいいでしょう。状況によっては介護保険制度や成年後見制度が使える場合もあります。家族だけで何とかしようとせず、たくさんの社会資源を活用してください。
まとめ
認知症になっても、できるだけ住み慣れた自宅で暮らしたいと願う人がたくさんいます。
いきなり同居することや施設に入れることを考えるのではなく、本人の希望に沿う形で介護ができるようにしたいものです。