思い出話でWin-Winになれる!?認知症予防とその意外な落とし穴【回想法】
介護サービスのない日や空き時間の対応が大変・・・
便利なサービスは数多くありますが、それらを駆使してもすべての介護負担が和らぐわけではなく、適切な対応ができずに苦労する人は多いです。
今回はそんな苦労や悩みを抱えている人たちのために「昔話を活用した認知症予防(回想法)」についてと、それによって勘違いされがちな危険な落とし穴について説明します。
思い出話は最高の刺激
認知症では最近の出来事をすっぽり忘れてしまったり、新しいことが覚えられないという症状が目立つ反面、昔の出来事は意外にもしっかりと覚えていることがあります。
過去の記憶を引き出すことは、脳に良い刺激を与えるため、回想法として認知症予防にも効果があると言われており、家族でも簡単に取り組める方法としてオススメです。
アルバム開けば会話が絶えない
昔の話をしようとしても、なかなか話題が思い浮かびませんね。そういった時はアルバムという必殺アイテムを活用しましょう。
1枚写真があれば、その時のことを思い出し、起こったことや考えていた事、今だったらこうだといった話が次々と生まれていきます。
古い考え方を押し付けられることが嫌だと言う人は多いですが、昔はどんなことが当たり前で、どういった考えで行動していたのかを今と比較しながら会話を楽しむことは、意外にも楽しめるものです。
介護サービスの合間時間や休日などを持て余している人は、お茶休憩などで昔の振り返りをする団らん時間を設けてみてください。
こどもとの交流でタイムスリップ
もし小さなお子さんがいる家庭であれば、触れ合う時間を作ってあげるのが良いでしょう。
おばあちゃんであれば、実際に子育てを経験してきた人が多く、昔を思い出しながらお子さんに接してくれます。
仕事熱心だったおじいちゃんであれば、昔できなかったような触れ合いができることで、タイムスリップして人生を楽しんでいる感覚が生まれてきます。
認知症が進んでいる場合、こどもを完全に任せてしまうことには抵抗があり、危険を感じてしまう方も多いはずです。
なので、できるだけ介護者も参加したり、見守っている環境下で過ごすようにしておきましょう。
昔のようには危険が一杯
回想法が良いと聞いて、昔のような状況下を作ってあげれば良いと思ってしまう人もいますが、実は間違いだったりします。
あくまで振り返りをして思い出ばなしをする上では良い刺激になりますが、無理な環境へ置いてしまうことは、余計に認知症を進行させてしまうことがあります。
無理はネガティブの温床
昔良く参加していた町内会の集まりやイベントなど、昔のように過ごすことが良いと考えて参加を進めてしまったことはありませんか?
もちろん全てがNGではありませんが、その内容や環境をよく理解せずに賛成してしまうのは、少し軽率な行動と言わざる終えません。
物忘れが激しい状態だと、昔のように会話を楽しめなかったり、周りの人が対応できず輪から自然と外されてしまい、疎外感を覚えてしまうこともあります。
また、失禁などが目立つ場合はそれによって心に大きなダメージを負ってしまうこともあります。認知症のことを知らず、今までと同じように接してくれていた人たちの前で、そういった失態をみせてしまうことは、とても自分自身に対する反省や情けなさを抱いてしまうのです。
同じ境遇の仲間が大切
通所サービスなどを利用していれば、昔とは違った新しいコミュニティが生まれます。そこでは同じ問題を抱えている人や、認知症に理解を持った職員さんがいることで、失禁しても大丈夫だという安心感や、話しについて行けなくても合わせてくれたり、優しくフォローしてくれるような環境が整っています。
レベルを下げてしまうという感覚を持ってしまう人が多いかも知れませんが、今の状態を受け入れ、適切なレベルに合わせることこそが最も最良と呼べるケアにつながるということを覚えておきましょう。
脳トレや健康イベントなど、負荷をかけることで得られるものも多いですが、それが大きすぎるのは心身ともに大きなストレスと感じてしまうのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「昔話でWin-Winになれる!?認知症予防とその意外な落とし穴【回想法】」について説明しました。
現在、家族で認知症介護に取り組んでいる方や、これからのために身に着けておきたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。