それってホントに認知症?加齢による物忘れとの5つの違い
最近物忘れが酷くて・・・
親やパートナーの行動が気になり始めると、それが認知症だと決めつけてしまう方もいますが、実は加齢による物忘れと認知症には違いがあります。
加齢によるものだと思い認知症だった場合は早期発見に繋がるので幸いですが、その逆だった場合は対応が変わってきてしまうので注意しなければなりません。
今回は、そんな「物忘れの違い」について考えていきましょう。
忘れの忘れに要注意
「昨日渡したお薬飲んだ?」
高齢になると服薬も増えていき、飲み忘れにも気をつけなければ成りません。飲んだか飲んでいないかを忘れてしまい、どうだったかな・・・となっていれば良いのですが、もし「薬って何?」というようにそのものを忘れてしまっていては要注意です。
忘れたことが自覚できている場合は、軽度または加齢による物忘れかも知れませんが、忘れたこと自体を更に忘れてしまってなかったことのように振る舞っていると危険信号です。
質問攻めはストレスになってしまうので、会話の中で振り返りや確認の質問を混ぜながら、定期的に状態を把握するようにしておきましょう。
盗まれたのなら要注意
私もよく家でものをなくします。どこに置いたのか忘れてしまい、どのタイミングまで持っていたのかも曖昧だったりします。
「どこだったかな?」となればまだ良いのですが、もし「盗まれたかもしれない!」と疑心暗鬼になっていれば要注意です。
こういう時は、力や強い叱責で抑え込んでしまわず、一緒に探そうと優しい声掛けで対応しましょう。
また、少し時間をおけば冷静になることもあるので、お茶休憩をはさんでリラックスしてから探し始めても良いでしょう。
今、何月だった?に要注意
日付や曜日がわからなくなってしまうことは、若い人にも多いです。仕事や学校があればそういったことは少ないですが、自宅に引きこもりがちであったり、老化による物忘れですぐに出てこないことは十分に考えられます。
ですが、今が何月なのかがすぐ出てこない場合は要注意です。他にも、今いる場所がどこかわからなくなったりすれば、すぐに認知症を疑いましょう。時間の感覚が大きくズレてきても要注意です。
こういった時は、できるだけ朝日に当たったり外気に触れるようにして、季節感や時間の感覚をリフレッシュするように進めてみましょう。
特に夜の徘徊などが見られる場合は、朝日に当たることで寝付きが良くなり改善が期待できるかも知れません。
取り繕ったら要注意
会話の中で、物忘れを指摘した際に「そうだったかな?」とそのものを受け入れていれば良いのですが、「絶対にそんなこと言っていない」など頑なに認めようとしない様子が見られたら要注意です。
もちろん、その方の性格にも関係してくるため一概には言えませんが、「腐っているから食べてはいけません」と伝えていたものを食べてしまい、その後確認しても「食べていない」と言い張ったりすると認知症が進行している可能性は高いです。
普段は取り繕うようなことがなくても、そのような兆候が見られたり、頻度が多くなればすぐに相談するようにしましょう。
忘れの程度に要注意
温泉旅行やお買い物などに出かけた次の日、「そんなことあったっけ?」と言われると認知症では無いかと不安になりますね。
ここで、そのお出かけの中で起こったことを断片的に忘れている場合は加齢による物忘れの可能性があります。
ですが、もし「旅行なんて行ってない」「昨日は1日家に居た」などのようにお出かけそのものを忘れている場合は要注意です。
お出かけをした次の日には、振り返りをすることで頭が働き認知症予防にも繋がりますし、こういったチェックにもなりますので、家族団らんの時間を上手く活用しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
加齢に伴う物忘れであったとしても油断はできません。しかし、認知症によるものかの判断がつけば対処の方法も違ってきます。
認知症の疑いがあれば無理に抱え込もうとせず、まずは病院の先生に相談して、家族で情報共有をするようにしておきましょう。
参考書籍
認知症介護ラプソディ: 笑って学ぶ認知症介護が楽になる40の知恵
著者:速水 ユウ