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【症状への具体的な対応策を深掘り】 食事や入浴、薬の服用などを拒否するようになりました。どう対応すれば?

 Q:ケアを拒否する方もいると聞きます。そんな時はどう対応すればいいのでしょうか?

 たとえば入浴を拒否されると、「体を清潔に保つには入浴した方が良いから、入らないのは悪いことだ」と考えてしまいがちですが、こう考えては本人の気持ちが置き去りにされてしまいます。
拒否するには、その人なりの理由があるので、受け入れられない理由を探りましょう。

 

 どんな理由があるのでしょう?

 

 入浴を拒否する理由は、さまざまです。

健康な人は何気なく入浴していますが、入浴の手順はなかなか複雑です。
認知症があると、入浴の手順がわからなくなり、失敗を繰り返すうちに嫌になった、「お風呂」という言葉から入浴を連想できず、何をされるのか不安になったという人もいます。
たとえば、お風呂という言葉の意味を思い出せないのであれば、直接、お風呂を見せてから入浴を勧めてみてはどうでしょうか。

 

 なるほど~

 

 まず、どうして拒否するのか理由を探り、理由がわかったら問題を解決し、「一緒にしよう」と声を掛けましょう。

拒絶しているのに無理にはしないことが大切です。強く抵抗して暴言や暴力につながることもあります。また、嫌な記憶になり、次回以降も拒否するようになる可能性があります。

誰も傷つかない嘘を使って、本人に納得してもらってケアを進めるのがいけないというわけではありません。
ケアできれば本人のためになり、周りも安心できます。
しかし、嘘をつくことに慣れてしまうことは本人に対する誠実さを失うことにもつながります。
認知症のあるなしにかかわらず、基本的には嘘はつかない方がいいでしょう。

参考:「家族のための認知症ケア」繁田雅弘著 NHK出版

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