飲んでいる薬の副作用で認知症に似た症状が出るというのは本当?
Q:飲んでいる薬の副作用で認知症に似た症状が出るというのは本当ですか?
はい、ほとんどすべての薬剤が、認知障害の原因となり得ます。
特に認知機能障害をきたしやすい薬剤は以下のとおりです。
原因になり得る薬剤 | 具体的な薬剤名 |
抗コリン作用を持つ薬剤 | 抗パーキンソン病薬のトリヘキシフェニジル・ピペリデン 胃薬のファモチジン 抗アレルギー薬のアタラックスP など |
ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬 | エチゾラム セルシン ハルシオン ネルボン ダイアップ坐剤 |
ステロイド | プレドニン |
どれぐらい影響が残るんですか?
ほとんどの場合、服用中止で改善します。
しかし、薬や認知機能障害の原因だと思っても、自己判断で薬を中断するのは止めましょう。
勝手に中断すると治療中の病気が悪化してしまい、取り返しのつかなくなる可能性があるからです。
週刊誌やインターネットで薬の副作用ばかりに焦点を当て、読者の不安をあおり、本来の薬の効果には触れない記事をしばしば見かけます。
気になる場合には、処方してくれた医師に相談してみましょう。
参考:「家族のためのはじめての認知症ケアガイド」松永慎史著 中央法規出版、一宮市立市民病院|薬剤誘発性認知症について
家族が気を付けておくことはどんなことでしょうか?
認知障害を起こす薬剤は多くあるので、服用薬の多い場合には原因薬剤を特定するのが困難です。
そのため、医師や薬剤師は処方薬の数は少なく、副作用の少ない薬剤を選択するように注意を払っています。薬剤による認知障害は早期発見が重要なので、患者さんやご家族は常に副作用の発現に注意を払ってください。