レビー小体型認知症について、教えてください

Q:レビー小体型認知症って?
レビー小体型認知症は、脳に「レビー小体」が溜まることで引き起こされる認知症です。
よく現れる病態に、認知機能の変動、幻視、睡眠障害(レム睡眠行動異常症)、パーキンソン症状の4つがあります。
Q:認知機能の変動?
認知機能の変動とは、混乱した状態としっかりした状態を繰り返すもので、数分から数時間、数時間から数か月に渡る長さで認知機能が変化します。つまり、認知機能自体がよく変わるのです。
Q:幻視?
幻視とは、実際にはないものが見えるという症状です。見えるものは、人物、動物、虫などで、人物は知人のこともあるし、知らない人のこともあります。
Q:レム睡眠行動異常症?
レム睡眠行動異常症では、夢の内容に合わせて大声を出したり、体を大きく動かしたりします。
通常、夢を見るレム睡眠時は筋肉の緊張が弱まっているので、声を出したり体を動かしたりできません。しかし、レビー小体型認知症では、筋肉の緊張を抑える働きが低下しているため、このような症状が現れます。
Q:パーキンソン症状?
パーキンソン症状では、筋肉がこわばる、動きが鈍くなる、手足が震えるなどの症状が現れます。
パーキンソン病ではレビー小体が脳幹部に出現するのに対し、レビー小体型認知症では脳幹部以外にも広がるので認知機能障害が現れるのです。
抗認知症薬を使うこともありますが、どの症状にも有効なわけではないので、症状ごとに薬で対応するのが、一般的です。しかし脳が薬の作用に敏感になってため、かえって体調を崩してしまうこともあり、注意が必要になります。
参照:NHKきょうの健康「家族のための認知症ケア」