認知症や軽度認知障害(MCI)を予防する方法があれば教えて
Q:認知症や軽度認知障害(MCI)を予防する方法はありますか?
認知症や軽度認知障害(MCI)の予防に、はっきり効果があるといえるのは運動です。
軽度認知障害(MCI)の高齢者に関して有酸素運動や身体活動について検討した研究では、全般的な認知機能だけではなく「目標を設定して実行する能力(以下、実行機能)」や「言語」「処理速度」などへの効果がみられたと報告されています。
この研究では、年齢により効果の度合いは異なっていて、後期高齢者と呼ばれる75歳以上だと、認知機能の中でも、「実行機能」「即時記憶(短期的な記憶力)」「推理」に対して有効でした。
運動で認知機能が向上するのは、脳の血流量の増加や神経細胞の増加が理由だと言われています。
また、運動により神経細胞に働くたんぱく質が増え脳容積も大きくなり、さらに、うつ症状を減らしたり、睡眠を良好にしたりという働きもあります。さまざまな効果が同時に起こり、認知機能が向上するようです。
どんな運動をすればいいのですか?
運動の種類によって、認知機能の改善効果は違う可能性があります。
運動の種類は、大きく2つ、ウォーキングやジョギング、ダンスなどの有酸素運動と、スクワットや腹筋運動のような筋肉トレーニングに分けられます。どちらも全般的な認知機能や実行機能、言語に対する改善効果がありましたが、注意力を改善したのは筋肉トレーニングの方だけでした。
また単一の運動ではなく、いくつかの種類を組み合わせた運動メニューの方が、軽度認知障害(MCI)高齢者においては効果的なようです。自治体で開催している高齢者向けの運動教室に行くのは良いかもしれませんね。
運動はどのくらいの頻度ですればいいのですか?
週3日以上、半年以上継続的に、中強度以上(通常の歩行か同等以上)の運動で、効果が大きくなることが期待されています。
これより低い頻度では効果は認められていません。
そのため、続けやすく、やる気を維持できる運動を選ぶことは大切です。
また、買い物など日常生活で歩くことを運動ととらえても良いでしょう。
そうだ!明日から一緒に歩いて買い物に行こうかな。