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「まごわやさしい」が合言葉!~7種類の食材について~

2022年11月15日

こんにちは。
初めてコラムを担当させていただく健康ラボステーションの竹本です。

突然ですが、「まごわやさしい」という言葉を聞いたことはありますか?

「まごわやさしい」は、“和の食材の頭文字をとった言葉”です。

「ま」→豆、「ご」→ごま、「わ」→わかめ、「や」→野菜、「さ」→魚、「し」→しいたけ、「い」→いもを表しており、この7種類の食材をまんべんなく取り入れることで健康的な生活を送れると考えられています。

食事が欧米化し、コンビニやファーストフード店など手軽に食べられる飲食店が増えてきたことから、こういった食材をあまり食べないという方も多いのではないでしょうか?

今回は、「まごわやさしい」の食材について解説したいと思います。

「ま」:豆


豆類には、植物性たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。

その中でも大豆には「レシチン」が含まれており、神経伝達物質であるアセチルコリンの材料になります。アセチルコリンは記憶に関わる物質でもあるため、積極的に摂りたい栄養素です。

大豆をそのまま食べるのは難しいですが、大豆製品である豆腐や納豆などは手軽に食べられるので、一品足りないときに取り入れるのがおすすめです。大豆の加工食品の一つに味噌がありますが、摂り過ぎると塩分過多になってしまうので注意しましょう。

「ご」:ごま


ごまにはリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれており、血中のコレステロール値を下げる働きがあるため、動脈硬化が要因となる脳血管性認知症を予防する効果が期待できます。

ごまは和え物やスープにかけることで簡単に取り入れることができます。ごまは「すりおろす」ことで吸収率がアップするため、「すりごま」がおすすめです。

「わ」:わかめ


わかめや昆布、ひじきなどの海藻には、カリウムやカルシウムなどのミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。低カロリーのため、ぜひ毎日の食事に取り入れたい食材です。

わかめの酢の物やひじき煮などのおかずを作り置きしておくと手軽に海藻を摂ることができます。

「や」:野菜


緑黄色野菜であるにんじんやかぼちゃ、アスパラガス、ほうれん草にはビタミンCやビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンCやビタミンEには抗酸化作用があるため、老化を防ぐ働きがあると言われています。

野菜は加熱するとかさが減るので、生で食べるより摂取量を増やすことができます。

野菜が苦手な方は、ハンバーグの中に細かく刻んで入れたり、具沢山カレーにしたりすると食べやすくなります。

「さ」:魚


サンマやサバ、アジなどの青魚には、体内で合成できない不飽和脂肪酸の一種であるDHAやEPAが含まれています。

DHAは神経伝達物質を活性化させるため、記憶力の維持や認知症を予防する効果が期待できます。また、EPAは血液が固まるのを防ぐため、血液をサラサラにすると言われています。

DHAやEPAは熱に弱いため、お刺身で食べると効率よく摂ることができます。

「し」:しいたけ


しいたけにはエリタデニンという水溶性の栄養素が含まれています。

エリタデニンは血中のコレステロールを抑える働きがあるため、動脈硬化や高血圧を予防する効果が期待できます。ただし、エリタデニンは水溶性の栄養素であるため、干ししいたけを使用する場合は、戻し汁に流れ出てしまいます。そのため、戻し汁は捨てずに炊き込みご飯や煮物などに使いましょう。

「い」:いも


じゃがいもの主成分は炭水化物ですが、クロロゲン酸と呼ばれるポリフェノールも含まれています。

クロロゲン酸は抗酸化作用を持つため、老化予防に役立つと言われています。

クロロゲン酸は皮に多く含まれているため、皮ごとバターで炒める、ポテトサラダにするなどの調理がおすすめです。ただし、いも類をよく食べる人は糖質の摂り過ぎにつながってしまうため、食べる量には注意しましょう。

今回は「まごわやさしい」の食材についてご紹介しました。

これらの食材をいきなりまんべんなく食べるのは難しいと思うので、まずはおかずにごまをかける、朝食に納豆をプラスする、味噌汁にわかめを多めに入れてみるなど実践できることから始めてみましょう。

作成:認定NPO法人 健康ラボステーション 管理栄養士 竹本 舞花

武庫川女子大学卒業後、2020年4月に認定NPO法人健康ラボステーションへ入社。管理栄養士の資格を所持。
減塩を意識したレシピの考案や、Instagram、メルマガなどのSNSで健康コラムの情報発信を行っている。

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