認知症を理解し、共に暮らすための情報サイト

隠れ脱水に注意しましょう!

2021年12月14日

こんにちは!健康ラボステーションの大原です。
暑い夏が終わり、過ごしやすい季節になりましたね。朝晩が冷え込み、辛いと感じることも増えてきました。今年の冬はかなり寒くなるそうですので、体調を崩さないように気をつけましょう。

さて、今回は「脱水について」お話します。
脱水と聞くと、夏をイメージする方も多いのではないでしょうか。
実は空気が乾燥してくる秋から冬にかけても、脱水に注意が必要です。

身体に占める水分の割合について              

人の身体には、多くの水分が含まれています。しかしその水分量は、年齢が上がるにつれ減少していきます。最も水分量が多いとされる新生児の場合、水分量は体重の70~80%ですが、高齢者では体重の50%程度になると言われています。

水分は体内でどんな役割を果たしているの?

飲み物や食べ物などから摂った水分は、腸から吸収され血液などの「体液」となって、体内を循環しています。

【体液の働き】
①運搬
身体に酸素や栄養素を運び、老廃物を身体の外へと排出させる

②体温調節
暑い環境下では、皮膚への血液循環を増やして汗を出し、体温を一定に保つ

水分が不足するとこれらの働きが悪くなるほか、脱水による血行不良で、血栓ができる場合もあります。
脳血管性認知症の要因である脳梗塞や、心筋梗塞のリスクを高めてしまうため、認知症を予防する上でも、脱水を防ぐことは大切です。

自分の身体に合った量を計算してみよう

年齢や体格によって1日に必要な水分量は異なります。
以下の表を参考に、ご自身に合った1日に必要な水分量を求めてみましょう。


例えば、25歳で60㎏の場合は、35ml×60㎏=2,100mlになるため、1日に約2.1Lの水分を補給する必要があります。ただしこの量は飲み物からの水分だけでなく、食べ物からの水分も含みます。

水分補給の落とし穴

皆さんは正しく水分補給が出来ていますか?
水分補給として、緑茶を選んでいる方も多いのではないでしょうか。

実は緑茶には、利尿作用のあるカフェインが多く含まれているため、あまり水分補給には適していません。水分補給には、お水やカフェインゼロの麦茶がおすすめです。

また、喉が渇いたと思った時には、すでに脱水が始まっている証拠と言われているため、日頃から意識して、こまめに水分を摂ることが重要です。水分を摂る習慣がない人は、トイレに行った後に水分補給をする、目に付く場所にペットボトルを置いておくなどして、癖づけるようにしましょう。

おすすめの水分補給のタイミング


他にも必ず水分補給をしていただきたいタイミングがあります。

①起床時と就寝前
寝ている間も、呼吸や汗などにより、身体の水分は失われています。
そのため、起床時や就寝前にはコップ1杯分の水分を補給しましょう。
就寝前に冷えた飲み物を飲むと胃腸の冷えに繋がり、トイレが近くなる場合がありますので、温かい飲み物を選びましょう。

②入浴と運動の前後
入浴や運動を行うと、代謝が良くなり汗をかきやすくなります。
その分失われる水分量が増えるため、入浴や運動の前後には、必ず水分補給をするようにしましょう。

③飲酒時
お酒に含まれるアルコールには利尿作用があり、飲んだ以上の水分が、尿として身体の外へと排出されます。特にビールは利尿作用が強く、1Lのビールを飲むと、1.1Lの水分を失うと言われています。
そのため、お酒を飲むときは、併せてお水やお茶などを飲むようにしましょう。
その場で飲むことが難しい場合は、寝る前に必ず水分を摂るように心がけて下さい。

日頃から水分を摂る習慣がないと、初めは必要な水分量を満たすことが難しいかもしれません。まずはご自身ができるものから、実践してみましょう。

 

作成:認定NPO法人 健康ラボステーション 管理栄養士 大原 奈緒

神戸女子大学卒業後、2019年 4 月に認定 NPO 法人健康ラボステーションへ入社。管理栄養士・フードスペシャリストの資格を所持。現在、介護食アドバイザーの資格取得のため、勉強中。
FacebookやInstagramなどのSNSを中心にレシピや健康コラムの情報を発信。食育、災害食・介護食についても今後情報を発信していきたいと検討中。

認知症の基礎知識

04
認知症の予防・備え
認知症の予防法や事前に備えておきたいことなどの情報をまとめています。
02
認知症かな?と思ったら
ご自身や家族が認知症かもしれないと思ったときに見ておきたい情報をまとめています。
03
認知症だと分かったら?
介護保険や認知症の方への接し方などの情報をまとめています。