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「ひとりでRUN伴(ランとも)」 コロナ禍の工夫で生まれた取り組み ~オンラインで日本をオレンジに染めよう!~

「オンラインで日本をオレンジに染めよう!」——認知症の当事者を応援するランニングイベント「ひとりでRUN伴(ランとも)」が展開されています。

リレーでたすきをつないで大勢が走る「RUN伴」はコロナ禍のため実施できないので、ひとりか少人数で走って、オンラインで写真やメッセージを共有する試みです。「ひとりでRUN伴(ランとも)」は10月末まで。

RUN伴全国版事務局の三浦亜希子さんに、ねらいや取り組みを聞きました。

「ひとりでRUN伴(ランとも)」とは?

「RUN伴(ランとも)」は、認知症の人が地域の人と出会う場をつくろうと企画されたイベントです。自宅や施設で生活の行動範囲が限定されている認知症の人が人と出会うきっかけとなり、たすきをつないで走ります。

大勢で走って「元気そうな高齢者の人は認知症だと後で知った」「チームの中心にいた人、若年性認知症だって」。そんな風に参加者が認知症を理解できます。声を掛け合って一緒に走ると仲間意識が芽生え、親しみがわきます。

コロナ禍のため大勢で走ることができないため、ひとりでもできることをやろうよと提案があり、「ひとりでRUN伴」という形になりました。ひとりで走った写真やメッセージをオンライン上に共有します。

「RUN伴」ということばは、どんな意味ですか?

「ランニングしたい」「楽しく走りたい」という当事者の願いをかなえようと、NPO法人・認知症フレンドシップクラブが始めました。
伴走できる社会をめざす伴走の「伴(とも)」、フレンドシップ(友達)の「友」、そして明日(TOMORROW)などをかけて、「RUN伴(ランとも)」と親しまれる名前になりました。

誰かがそばにいて、短い距離でもみんなが大勢でたすきをつないで走れば、長い距離になります。
認知症と診断されて孤独になりがちな人をサポートしたい。そんな願いを込めて、北海道で始まったRUN伴は全国に広がりました。

どんなしくみになっていますか?

全国各地で地域ごとに実行委員会を組織してイベントを開きます。
介護の仕事で忙しい人が地域を越えたネットワークで情報交換して「RUN伴、うちでもやろう」と全国に広がりました。
多くの人に支えられるイベントに育ちつつあります。

RUN伴は2011年に始まり、2020年に10年の節目となりました。
以前は、北から南に向けて聖火リレーのように、たすきをつないでいくイベントでした。順送りにすると、それぞれの地域では活動期間が限られます。
イベント10年の節目を迎えた2020年に、運営方式を変更して地域ごとに自由に活動する方法を模索していました。しかし、コロナ禍で「RUN伴」のたすきリレーを実施できなくなりました。
コロナ禍の三密を避けるために、間隔を保って走るのも、当事者の参加も難しいですよね。それで、ひとりで走って一般の人も参加できる形を考案しました。

「ひとりでRUN伴」には、どんな工夫がありますか。

オンラインで全国に仲間がいることを表示する「ひとりでRUN伴 2021 チャレンジマップ」を設けました。握手ができないのでオンラインでグータッチが交わされたように見える写真を撮って楽しめたらいいな、と願っています。

世界アルツハイマーデー(9月21日)に合わせて、9月と10月の2カ月間に限定した取り組みになっています。9月には、「RUN伴」にまつわるオンラインイベントもありました。
介護の分野で認知症のケアにあたる人たちがまちづくりや地域活動を紹介し、認知症に対する理解を広げるために活発な意見が交わされました。

実際にチームで走る「RUN伴」が再開できることを願って、2021年と2022年を2年連続の一つのイベントとみなしています。Tシャツも2年連続で使えるデザイン「RUN伴全国版2021/2022」を用意しました。

Tシャツは、オレンジとホワイトの2枚でひとくみになり、2枚並べて「再会」を表現しています。
2022年に「RUN伴」が実現できたら、二人が一緒に写真を撮ろうよ、という願いも込めました。

今回の目標や反響を教えてください。

認知症支援のシンボルカラーであるオレンジ色に日本地図が染まることを目標にしています。10月前半の時点で、22の都道府県から、参加者は100人を超え、総延長距離は800㌔以上となっています。

「同じ時間にちがう場所を走っている人とともに」「その一歩は、誰かが進む道になる」。オンライン上でエール交換が起きるなど同じ目標に向かって走ることを確認できるメッセージが集まっています。ひとりで走るけれども、誰かと伴走していることを想像して走ります。

写真を撮るだけでも、投稿を読むだけでも、楽しいものです。「今できることは?」「来年は、こうしたい」とこれからの「RUN伴」を考えるきっかけにもなります。

コロナ禍で制約が多い中でも、今できることを大切にしたいですね。「ひとりでRUN伴」の写真を撮って、オンラインでメッセージを共有することは、「ともにある」という意識の共有につながります。

参加呼びかけのメッセージをお願いします。

オンライン上で、Instagramで、どんな人と隣に並ぶのか想像しながら写真を撮ってください。知らない人とオンラインで出会って、つながるかを楽しみにして「ひとりでRUN伴」に参加してください。

年齢を重ねると、誰しも認知症になる可能性があります。「認知症を隠そう」とか、「介護は大変」というマイナスイメージではなく、認知症に対する理解が広がることを願っています。このイベントに参加しているみなさんに共通する願いです。

RUN伴全国版事務局  三浦亜希子さん

ひとりでRUN伴2021

執筆:おれんじねっと記者  中尾卓司

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