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看護小規模多機能型居宅介護とは?利用方法や費用について解説!

2021年12月2日

介護保険には様々なサービスがありますが、「看護小規模多機能型居宅介護」というサービスをご存知でしょうか。
看護小規模多機能型居宅介護は、介護が頻繁に必要になってきた方やいろんな事業所と契約するのが大変と感じていた方、医療度の高い方にぴったりのサービスです。
今回は看護小規模多機能型居宅介護の内容や利用方法、費用などについて紹介します。

看護小規模多機能型居宅介護とは

利用者が要介護状態になっても、可能な限り在宅生活を送ることができるよう、「通い(デイサービス)」「宿泊(ショートステイ)」「訪問(ヘルパー)」「訪問看護」を組み合わせて利用するサービスです。
そのため医療度の方や病状が不安定な方、在宅での看取りを希望している方にも、おすすめと言えます。

元々は「複合型サービス」と呼ばれていましたが、2012年に介護保険法の法改正があり、2015年より現在の「看護小規模多機能型居宅介護」になりました。

「通いや宿泊って、デイサービスやショートステイと何が違うの?」と思われるかもしれません。通常はデイサービスやショートステイ、それぞれの事業所と契約をする必要があります。しかし看護小規模多機能型居宅介護は、一つの事業所と契約するだけで、その事業所から4つのサービスを利用することができます。
「通い」は、通常のデイサービスと違い、利用者の希望する時間に利用することができます。ご家族が送迎できる場合は、19時頃まで利用できる事業所もあり、時間の融通がききます。
「宿泊」は、日中通った施設にそのまま泊まることができます。通常のショートステイだと、事前に予約や契約をしなければなりませんが、小規模多機能型居宅介護の泊まりは、空きがあれば利用することができます。ただし別途費用がかかります。
「訪問」は、必要な時に希望する回数、利用することができます。そのため食事介助や排泄介助の短時間で利用したり、1日複数回の利用も可能です。通常のヘルパーよりも回数や時間帯などで融通がきくと言えるでしょう。
「訪問看護」は、全身状態の管理や医療行為などを、看護師が訪問し対応します。事業所によっては、24時間体制の訪問看護もあります。
訪問看護は主治医からの指示で訪問をするため、頻回に利用したい場合は主治医への確認が必要となります。

似たような名前で「小規模多機能型居宅介護」というサービスもありますが、訪問看護がないものになります。

看護小規模多機能型居宅介護の対象者

看護小規模多機能型居宅介護の対象者は、①要介護1〜5の方、②事業所と同じ市町村に住んでいる方です。どちらの条件も満たしている必要があります。要支援1・2の方は利用できません。

看護小規模多機能型居宅介護の費用

介護度 費用
要介護1 12,341円
要介護2 17,268円
要介護3 24,274円
要介護4 27,531円
要介護5 31,141円

看護小規模多機能型居宅介護は、定額制の月額料金になっています。
利用回数の増減があっても、毎月の費用は変わりません。基本料金以外に、加算・食費・宿泊費・おむつ代などが別途かかります。
基本料以外の費用は、事業所によって異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

看護小規模多機能型居宅介護のメリット・デメリット

メリット デメリット
・顔馴染みのスタッフからの援助を受けることができる
・通い、宿泊、訪問はが制限なく利用できる
・一つの事業所と契約するだけで、サービスを利用できる
・柔軟にサービスを組み合わせることができる
・通いの場合、「食事のみ」「入浴のみ」など好きな時間帯に利用できる
・病状が不安定だったり、医療行為があっても、訪問看護があるため安心感がある
・利用回数が少なくても、月額費用が変わらない
・現在担当しているケアマネジャーから変更が必要になる
・部分的にサービスを変更したり、併用ができない
・他の利用者やスタッフとの関係性がこじれると、利用しづらくなる

顔馴染みのスタッフが関わってくれるため、環境変化が苦手な方や認知症の方にはおすすめです。また定額制のため、頻繁に介助が必要な方も適しています。
反対にそこまでサービスを多く利用しない方だと、料金が高くついてしまう可能性があります。
小規模多機能型居宅介護との違いとして、訪問看護が利用できるというメリットがあります。在宅酸素やインスリンなど、医療度の高い方でも、安心して利用できるでしょう。

まとめ

看護小規模多機能型居宅介護は、「通い・宿泊・訪問・訪問看護」を全て一つ事業所から利用することができます。
頻繁にサービスを利用したい方や環境を変えたくない方、また医療行為があり不安を感じている方にとっても、心強いサービスです。また在宅介護をしているご家族にとっても、介護負担の軽減に繋がります。
事業所によって、雰囲気や費用なども異なるため、事前に見学等に行かれることをおすすめします。

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