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認知症患者にも可能?レスパイトケアで介護負担を減らそう

2021年11月23日

認知症患者の介護は思うようにいかず、身近な家族の精神的・肉体的負担も増しやすい特徴があります。
家族が介護に追われてしまうと家族のQOL(生活の質)も下がってしまうため、日々の介護疲れを癒し休憩を取ることも大切です。
今回は、介護側の負担を軽減する「レスパイトケア」について解説します。
認知症患者の在宅介護に困っているご家族は是非参考にしてみてください。

レスパイトケアとは

レスパイトケアは、介護をする人のためのケアのことで「respite=小休止」の意味をもちます。
在宅介護をしている家族などの介護者が一時的に介護から離れることで、気分転換や休息の時間を取り、心のケアを図るサービスです。
一般的に介護者が小休止している間は、介護施設や公的なサービスが一時的に介護を代わります。
介護者が一時的に介護から離れるという意味合いでは、普段介護に関わっていない親族や近隣の方が協力する場合もレスパイトケアと言えるでしょう。

レスパイトケアの目的

レスパイトケアは介護者のためのケアであって、その目的は常に身近で介護する家族の心身の負担を軽減することにあります。
介護者が休むことは決して介護放棄ではありません。
高齢者や認知症患者の介護を続けることで、気分の落ち込みや意欲の低下、慢性的な腰痛など心身の不調につながる可能性も高いです。
レスパイトケアを行って家族の調子を整えることで高齢者や認知症患者も介護を受けることができ、両者の共倒れを防ぐ効果も期待できます。
在宅介護を続けていくうえでは大きな意味のあるサービスと言えるでしょう。

代表的なサービス

レスパイトケアの種類として、介護保険のサービスである「ショートステイ」と「デイサービス」が有名です。
以下に、各特徴を紹介するので利用の参考にご覧ください。

ショートステイ

ショートステイは、1泊から最大30日間程度までの短期間施設で対象者を預かり、普段の見守りやお世話を提供してくれるサービスです。
要介護認定を受けている人が対象なので、認知症患者も認定されていれば利用可能です。
ショートケアを利用することで介護者はまとまった休みを取ることができます。
ゆっくりした時間を過ごしたり、リフレッシュの外出・旅行へ行ったりできることから人気なサービスであるため、利用するには早めの手続きが必要です。
老人ホームや特別養護老人ホームなどの施設を利用することが多いでしょう。

デイサービス

デイサービスは対象者を半日から1日程度預かり、日中の見守りや支援を提供してくれるサービスで、要介護認定が必要になります。
デイサービスを利用することで、介護者は1日のうち日中は息抜きすることができるため、介護の苦しさを軽減できる可能性が高いです。
送迎やリハビリの有無などサービス内容は施設によって異なるため利用前に確認しましょう。
民間の事業所運営も多いため、ショートケアよりも利用しやすい印象があります。

レスパイトケア利用時の注意

レスパイトケアは認知症患者でも利用可能ですが、認知症患者の場合は環境の変化を苦手に感じる人が多いです。
認知症患者が抵抗を示した場合は強制せずに、自宅で介護者を変えてみたり、日中のデイサービスのみを利用してみたり、徐々に慣らしていくことが大切です。
レスパイトケアは介護者の負担を軽減することが目的ですが、認知症患者の気持ちもきちんと尊重しましょう。

まとめ

代表的なレスパイトケアであるショートケアとデイサービスは介護保険が適応です。
認知症患者であっても要介護認定を受けている人は対象になるため、施設やケアマネージャーと相談してレスパイトケアを利用してみてください。
常に在宅介護を続けることは、誰であっても負担は大きいです。
介護を続けるためにも、自身の心身の健康を保つためにも、是非選択肢の1つとして利用の検討をしてみてください。

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