認知症の高齢者一人で留守番させても大丈夫?対応法について
祖父母やご高齢の親御さんと一緒に暮らしていると、家族は心配やストレスに感じることがあります。
そんな時、外出したい・用事で家をあけなきゃいけないとなると一人にさせていいのか心配になることが多いです。
このように認知症を患う高齢者と共に暮らすご家族の不安の一つに『留守番』があります。今回はその留守番をさせても大丈夫か?対策・対応はどうしたらいいかをご紹介します。
認知症の人が留守番するときに起こる可能性
まず、どうして留守番させることが心配なのか?留守番時に起きる可能性のあることをお話しします。
火の不始末・火災
認知症の最も有名な症状に記憶障害(物忘れ)があります。
物忘れがあることで、料理の途中で別のことをし始めると、火を消し忘れてしまうことがあります。消し忘れてしまうことで、火が燃え上がる、他の物に火がうつるなど火災に繋がる可能性もあります。
徘徊やご近所とのトラブル
徘徊は本人にとっては外出時は目的がある場合が多いことから、家族が「出かけないように」と言っても出かけてしまいます。
また、徘徊は転倒やご近所トラブルも起きやすいため、十分に気をつける必要があります。
家の中の物がなくなる・移動される
ご家族からすると、物の位置が違う、「財布や通帳がない」と騒ぎになることは日々のストレスとして積み重なります。本人にとっては『隠したつもりはない』ことが多いです。昔置いていた場所・片付けたなど、その時は理由があり、その後忘れてしまうと言われています。
留守番してほしいときに使える対応法3選
対応案を3つお話しします。
対応法は絶対に未然に防げるものではありません。少しでもリスクを減らすための方法ですので、これで安心!ということではありませんのでご注意ください。
①ガスの元栓を閉める・ドアなどに工夫をする
認知症の方に「ダメ」と伝えても忘れる可能性や認知症の症状が進行するとも言われています。
「火を使ってはダメ」「勝手に外に出たらダメ」とは言わずに、ガスの元栓を閉める、IHに買い替える、玄関やベランダの窓に徘徊防止ロックをつけることで、火災への繋がりにくさや、本人の外出を抑えることができます。
②洋服や靴などに名前・電話番号を付ける
近年、高齢者用のスマホが販売されていますが、徘徊してしまった場合は持っていかない場合や電話に出ない場合があります。
愛用品やよく履く靴などに名前や連絡先などをつけることで、誰かに気づいてもらえた際に家族に連絡がつきやすくなります。
③福祉サービスを利用する
福祉サービスを活用することで、そもそも一人で留守番させなくてすみます。
たとえば、訪問介護は要介護1~5の人が利用できるサービスで、自宅にヘルパーなどが来てくれます。
また、デイサービスは通所施設に行くことですが、家ではないので留守番時に起きやすいリスクの心配はないです。
さらに、ショートステイ(短期入所生活介護)も使えます。ただ環境が変わることで症状が悪化する例もあるため、主治医と相談することがオススメです。
まとめ
今回は認知症の高齢者に留守番してもらうときの対策・工夫についてお話ししました。
リスク要因には、火の不始末や徘徊、物を隠すなどがありました。
対策は、ガスの元栓を閉める・IHなど別のものに変更する、ドアや愛用品に工夫をするという方法があります。
そして、ご家族だけで抱えずにストレス軽減のためにも福祉サービスも積極的に使ってみてください。少しでもリスクを少なくしましょう。