「介護老人保健施設 大阪緑ケ丘」~住み慣れた地域で安心の介護サービスを~
「介護老人保健施設大阪緑ケ丘」は、岸和田市の自然豊かな景観に恵まれた場所にあります。広大な農園で収穫したばかりの新鮮な野菜を用いた食事も提供し、同じ建物内にグループホームなどの関連施設を併設している強みを発揮して、多彩な安心の介護サービスを提供しています。看護部長の藤澤つよ子(ふじさわ・つよこ)さんに施設の特色を聞きました。
介護老人保健施設の特色を教えてください。
入所定員100人のうち、認知症専門棟30床、在宅復帰棟34床、重度対応棟36床となっています。認知症が疑われる方やご家族からの相談を幅広く受けています。
大声を出すような認知症特有の行動に対して、職員がひとりひとりの利用者さんに合った専門的なケアを心がけます。信頼や安心に結びつく要素はみな異なります。食事の際に手を添えるだけでも、利用者さんの安心感につながります。
隣接した敷地にある農園で収穫した旬の野菜を用いた食事は「とてもおいしい」と人気を集めています。管理栄養士が栄養のバランスを考えた献立を用意しています。
どんなところにやりがいを感じていますか。
私は看護師として、施設管理を任されています。利用者さんの症状を観察しながら、医師やほかの職員と連携して、利用者さんの状態を把握しています。支援相談員も務めています。地域に出向いて、ご自宅を訪問して個々の事情を詳しくお聞きし、老人保健施設の役割をご説明することも私の仕事です。
岸和田は、だんじりが有名です。だんじりの音楽を流すだけでも、利用者さんの表情が変わります。利用者さんは、だんじりの音を聴くと、手をたたいて踊り出して喜びを表現します。
認知症専門棟では、どのような活動がありますか。
認知症専門棟では、専門の精神科医の指導の下、利用者のみなさんは日中、デイルーム等で活動されています。入所者同士が見守り合う環境になっていて、仲間意識なのか、みなさん、とても落ち着いておられます。歩いて外に出ていく人がいると、職員が「どうされましたか」と声を掛け合います。「認知症だから何もできない」ではなく、残された機能を引き出せるように工夫します。施設からのお便りを三つ折りすることなども一緒にやっていただきます。
おれんじねっとを通じ、伝えたいことをお願いします。
職員として、まごころを込めて利用者さんに接したいと願っています。ここで安心して、過ごしてもらいたい。ご家族に「入所してよかった」「顔色がよくなった」「元気になった」「笑ってくれるようになった」と喜んでいただけるような支援を心掛けています。ご家族が「こんなに元気になったら連れて帰りたいな」と言っていただけるような在宅復帰を目指しています。
地域に向けた地道な介護サービスの活動について、介護保険統括課長の寺内謙元(てらうち・のりもと)さんに聞きました。
私たちの福祉と介護サービスを市民のみなさんに知ってもらえるように、地域のショッピングセンターなどに出向いて認知症相談支援センターを開くなど、地域に開かれた健康チェックや相談の場を設けています。そして、また高齢者向けの買い物バスは、施設の利用者に限らず、地域のみなさんに活用していだけるサービスです。地域活動を通じて、地域の困りごとを解決する社会貢献の役割を担いたいと心掛けています。
社会医療法人慈薫会理事長の河﨑茂子(かわさき・しげこ)さんに、河崎病院グループ全体の取り組みを聞きました。
認知症は、年齢を重ねたら誰でも直面する可能性がある症状ですので、認知症について垣根が低くて気軽にいつでも相談できる場が求められています。市民向けに無料の相談窓口を定期的に設けて、認知症支援の拠点となることを目指しています。医療と介護の両輪で地域に向けた適切なケアを提供できる選択肢を用意し、安心の認知症への支援サービスを提供できるように取り組んでいます。
施設紹介
社会医療法人慈薫会 介護老人保健施設大阪緑ケ丘
所在地:大阪府岸和田市流木町668-1
電話:072-428-0781
入所定員100人(うち認知症専門棟30人)
執筆:おれんじねっと記者 中尾卓司
1966年4月、兵庫県丹波篠山市生まれ。 |