【日々の生活における工夫】Q. 家の中での事故(転倒、火の不始末など)を防ぐには、どんな工夫ができますか?

Q:認知症の人は転びやすいと聞きましたが、本当ですか?
介護者が自分のための時間を確保し、心身ともに休息することは、決して悪いことではありません。
むしろ、質の高い介護を長く続けるために不可欠です。自分を大切にすることが、結果的に大切な家族を守ることにもつながります。罪悪感なく休むために、以下のヒントを試してみてください。
年を取ると誰でも転倒しやすくなりますが、認知症があるとそうでない人に比べ、転倒リスクは約8倍と言われています。
最も転倒しやすいのは、レビー小体型認知症です。次が、血管性認知症、アルツハイマー型認知症と続きます。レビー小体型認知症では、動きが鈍くなるパーキンソン症状が現れるので、それが転倒につながるのだろうと考えられています。
なるほど~
転倒すると心配なのは、骨折。認知症のある人はそうでない人に比べ、骨折リスクが約3倍高いことも分かっています。
高齢者が骨折すると、寝たきり状態になる心配もあります。寝たきり状態は、さらなる認知機能の低下を招くことがあるので、転倒による骨折は予防したいものです。
そのために、転倒しにくい安全な部屋作りに努めてください。点検したいポイントは、次の5つです。
- 電灯は切れていないか
- コードが散らかっているところはないか
- 段差がわかりにくいところはないか
- カーペットがめくれやすくないか
- 物が通路を塞いでいないか
本人の視点に立って危険な場所がないかチェックしてください。あわせて、本人の状態も確認しましょう。
「足のトラブルはないか」「靴やスリッパは足に合っているか」確認することで、コミュニケーションにもなりますよ。
火の不始末については、IHクッキングヒーターに替えれば、火事の心配は減らせます。
認知症を発症して「危険だから」と取り上げるのではなく、安全な仕組みの製品を取り入れるなどして、今までの暮らしを続けられるようにしてあげてください。
参考:「家族のための認知症ケア」繁田雅弘著 NHK出版