Q：先生、ケアマネジャーさんはどんなことをしてくれますか？

　介護保険のことは、やはり、専門家の方に聞くのが一番ですが、その前に私の方から、いろいろと説明しますね。

認知症と診断されると、家族は「自分の生活もあるから」「仕事は続けれられるかな」と介護保険サービスの利用検討など、すぐ行動してしまいがちですが、本人の気持ちは見ている限り、いろいろです。本人が、周囲の反応に振り回されてしまうことも少なくありません。

早期にサービスを使い始めることで、本人のできることを奪ってしまう可能性もあります。家族の都合や本人の困り具合いを確認し、気持ちとすり合わせることが大切です。

　家族が話すと嫌がることもあるので、プロから、もしくは兄弟や近所の人など話を受け入れやすい人と協力するようにしましょう。サービス利用の話をするときには、誰から本人に話すと受け入れやすいかを考えたいところです。

また本人が強く拒否している場合には、強引に進めてもどこかでうまくいかなくなることが多いものです。そのため、家族の希望したタイミングで導入できなかった場合でも、次に困ったことが起きた場合に、その状況を素早くキャッチできる体制をつくっておくことが大切です。

　サービス利用時に備えて、ケアマネジャーさんや医師、地域包括支援センターと、「どういう状況になったときに、どんなサービスが必要になるか」を一緒に計画しておきましょう。

参考：「家族のためのはじめての認知症ケアガイド」松永慎史著　中央法規出版