前頭側頭葉変性症について、教えてください

Q:前頭側頭葉変性症って?
数は少ないですが、ここで、前頭側頭葉変性症についても説明しておきましょう。
前頭側頭葉変性症は、「人間らしさ」に関わっている前頭葉が障害される認知症で、40~60代と若く発症することが多いタイプです。
脳内に異常なたんぱく質が溜まるという点では、「アルツハイマー型認知症」と同じですが、「同じことをする」という特徴的な症状があります。
症状の例には、「毎日、同じ道を散歩する」「毎日、同じものばかり食べる」などがあります。
Q:それ以外の症状はありますか?
衝動や感情を抑えられなくなり、万引きや交通事故などの社会ルールを守れないなど、自分本位な行動を取ることもあるのが、問題です。
いろいろなトラブルを起こし、昔のことを知る人からは「人が変わってしまった」と感じられることがあるようです。
Q:治療法はありますか?
初期は日常生活に問題がないので、気づかないこともありますが、進行を遅らせる薬や保健適応のある薬はありません。
あらわれている障害に合わせ、行動に障がいがある場合には、ルーチン化療法、言語機能に障害がある場合には言語療法を行う場合があります。
Q:ルーチン化療法って?
ルーチン化療法とは、毎日、決まった時間に出かけて万引きをするなどの場合、問題行動が起きる時間帯にデイサービスに通う、折り紙やパズルなどの趣味の時間をつくるなど、他の行動に置き換える取り組みです。
Q:なるほど。では言語療法って?
言語療法では、日常、よく使う言葉や名前を写真と一緒に覚える練習などをします。
言語療法は、デイサービスやデイケア、訪問リハビリテーションで受けられる場合があります。
参考:「家族のためのはじめての認知症ケアガイド」松永慎史著 中央法規出版