認知症と間違えやすい病気ってある?
Q:認知症のほかにも、似たような症状を示す病気はありますか?
はい、認知症に間違いやすい代表的な病気には、以下の3つがあります。
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- せん妄
- うつ病
- 難聴・白内障
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せん妄とはどんな病気ですか?
せん妄とは急性の意識障害で、入院をきっかけに起きることの多い病気です。
「元気だったのに、入院した途端、ぼーっとして、ぼけてしまった」
「手術前は何でもなかったのに手術後から夜騒いで寝ない」
という感じです。
見えないものが見える幻視、聞こえないものが聞こえる幻聴などを伴うこともありますが、一過性で治療すると改善します。
参考:「せん妄・認知症ケア」川端信也著 法研、
「家族のためのはじめての認知症ケアガイド」松永慎史著 中央法規出版
うつ病は?
はい、うつ病は以下のことに気を付けておいてくださいね。
高齢者のうつ病は、意欲や思考力が低下し、ぼーっとしていたり、もの忘れが増えたりするため、認知症と勘違いされやすい病気です。
うつ病には「忘れやすくなったから認知症かもしれない」という自覚がある、物を悲観的にとらえやすいほか、抗うつ薬がよく効くという特徴があります。
しかし、認知症とうつ病は合併しやすいので、注意してください。
難聴や白内障で気を付けておくことは?
高齢になると、目が見えにくくなったり、耳が聞こえにくくなったりすることは珍しくありません。
白内障や難聴は少しずつ進むので、本人も気づかない場合もあります。手術や補聴器の使用で改善が見込めます。
これらの病気は適切な治療で改善するため、認知症と正確に見分けることが重要です。そのため認知症を疑ったら、早めに医師に相談してください。