【健ラボ通信 Vol.7】快適で楽しく生きるために大切な、「姿勢と歩き方」
健康測定の結果に沿った食事や生活習慣のアドバイスを中心に健康づくりをサポートする、認定特定非営利活動法人・健康ラボステーション。
美と健康をテーマに、さまざまなイベントも開催する中で評判なのが、毎月1回の「ウォーキング&運動教室」です。
このイベントを創立当初から開催しているその思いや「姿勢と歩き方」の大切さについて、理事長の浦田千昌(うらた・ちあき)さんと、教室を担う一般社団法人・日本姿勢と歩き方協会の代表理事、高岡よしみさんにお聞きしました。
一般社団法人・日本姿勢と歩き方協会の代表理事 高岡よしみさん
「ウォーキング&運動教室」開催のいきさつを教えてください。
浦田 高岡さんとは、スポーツメーカーのウォーキングイベントでお見かけしたときに、「この人と話してみたい!」と声をかけたのがはじまりです。話してみるとお互いに「健康と未病」というテーマで活動している共通点があり、健康ラボステーションの立ち上げと同時にイベントの相談をしました。
高岡 「歩くことは生きること」です。年齢を重ねて、歩くのが辛くなったり歩きにくくなったりすると、自然と活動範囲が狭くなる場合や家にこもりがちになることがあります。すると、日常生活に影響が出るだけでなく、人と会っておしゃべりする楽しみや、色々なところに出かける喜びも減ってしまいます。この、「人と会う、しゃべる、出かけて刺激を受ける」ことは、認知機能の維持に大切だと思っています。
そして、健康維持に欠かせない動ける体づくりには、運動習慣が必要ですが厚生労働省の調査によると、実践している人は約3割だそうです(※)。
浦田 通常、運動の成果はなかなか目に見えないので続けるのは大変ですが、健康ラボステーションでは体組計で体の変化がチェックできるので、運動するモチベーションもサポートします。
高岡 ただ単に、歩くだけでは筋力や関節の柔らかさは衰えてしまいます。脚だけでなく腹筋や背筋の力も必要なので、教室ではそういった話も交えながら運動プログラムを行い、体のつくりや動きについて知っていただけるように工夫しています。花や木は根っこが丈夫でないと弱ってしまう、といいます。私たちも同じなので、活動の基本となる姿勢と歩き方を通じて、皆さんの健康と生きる楽しみに貢献できたらと考えています。
※厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」令和元年
教室ではどのようなことを行うのですか?
高岡 通常はまず、歩き方や立ち方を一人ひとり確認し、クセや悩みがある場合はどこに要因があるのかを考えます。そして、体に負担の少ない歩き方や日常生活の中でできる体づくりなどをアドバイスしています。
コロナ禍の前は、こういったパーソナルケアができていましたが、今はまだ休止中です。本来なら専用の機器を使った歩行測定による、歩幅や速度などの数値も確認しています。
恒例の運動教室は、感染対策をとって今も開催しています。体の仕組みやフィットネス概論をベースに、背筋や腹筋、脚、関節にアプローチする動きを参加者の皆さんと行います。しっかり体を使って鍛えられる内容なので、動いた後は筋肉痛や疲れが出るとは思いますが、それだけ体はちゃんと応えてくれるので、楽に動けるようになったり、体が軽くなったりと変化を実感できると思います。また、動きや体をサポートするために椅子を取り入れることで、年配の方が安全に運動できるよう工夫をしています。
どういった方が参加されていますか?
高岡 圧倒的に多いケースは、「家族に姿勢の悪さを指摘された」という方です。年齢とともに筋力が低下すると骨を支えることが難しくなり、腰が曲がったり背中が丸くなったりします。姿勢の悪さは老けて見える、疲れた印象になるなど、見た目の雰囲気にも大きく関わってきます。
逆に言えば、姿勢が良くなると表情はいきいきと若々しく見え、体への負担も軽くなるので疲れ方も変わります。それに、いい姿勢は周囲にいい影響を与えることもあります。「姿勢であんなに変わるなら私も」といった風に。
浦田 皆さん、一緒に参加する仲間と会うことも楽しみにされているようです。私たちは「健康づくりは楽しみながら」もモットーにしているので、運動のため・体のためというよりは「楽しいから参加する」「仲間とのコミュニケーションが楽しみ」と感じてもらえるのは嬉しいですね。
中には、近くに来たから寄った、とイベント以外のときに顔を見せてくださる方もいらっしゃいます。
これからの予定や目標を教えてください。
浦田 イベントを開催しているグランフロントは、すぐ側で「うめきた2期地区開発プロジェクト」が進められています。緑豊かな公園や広場ができるようなので、自然に囲まれて楽しみながら体を動かすイベントを企画したいですね。
高岡 運動プログラムの内容はもちろんですが、時代に合わせた最新機器を取り入れて姿勢や歩行をより可視化できるようなイベント内容を考えて、運動を続けるモチベーションのサポートも底上げしたいと思っています。
健康ラボステーションの活動を紹介するシリーズ「健ラボ通信」。
Vol.1:「楽しみながら病気の予防を」
Vol.2:「食」の楽しみ提案 健康づくりをアドバイス 管理栄養士
Vol.3:まちの「かかりつけ薬局」に 健康づくりに薬剤師ができること
Vol.4:コロナ禍の知恵 オンラインで健康づくりをアドバイス
Vol.5:【健ラボ通信vol5】画像やデータで体を〝見える化〟 健康測定を体験した
Vol.6:【健ラボ通信vol6】認知症になっても安心して暮らせるまちに 認知症サポーター養成講座をおすすめします
組織案内
一般社団法人日本姿勢と歩き方協会
所在地:東京都渋谷区渋谷3-5-16 渋谷3丁目スクエアビル2F
電話番号:03-4590-5674
認定特定非営利活動法人 健康ラボステーション
所在地:大阪市北区天満橋1-8-30 OAPタワー10階1005号
電話番号:06-6948-8015
執筆:おれんじねっと記者 古舘知子
ライター歴、約20年。10年以上にわたり美容と健康にまつわる記事づくりに携わり、雑誌や製品パンフレット、広告、新聞、WEBなどの制作を手がける。今ほど認知症についての情報が知られていなかった頃、認知症の家族がいた経験をきっかけに、おれんじねっとの取材チームの一員に。 |