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【健ラボ通信vol5】画像やデータで体を〝見える化〟 健康測定を体験した

2021年10月28日

健康づくりを提案する認定特定非営利活動法人・健康ラボステーションのメインの活動は、「健康測定」です。
画像やデータで自分の体が〝見える化〟されると、健康を意識づけできます。

大阪・天満橋のOAPタワー2階のカイセイ薬局を訪ねて、おれんじねっと編集部の花田康と中尾卓司、55歳の2人が健康測定を受けました。

気軽に立ち寄れる「健康測定」

まず、健康測定に臨む心構えを知ることからスタートです。管理栄養士の大原奈緒さんら3人が応対してくれました。

大原さんは「簡単な健康チェックによって、受診勧奨を促し病気の早期発見につながることもあります」と説明します。健康測定の利点は、自分の体に興味を持てることです。

新型コロナウイルス感染対策で完全予約制

JR大阪駅北側うめきたの大阪市立大学健康科学イノベーションセンターで定期的に開いていた「健康測定会」は今、コロナ禍のために中止になっています。

いつも健康ラボステーションの活動を支援している「カイセイ薬局」のOAP店には、健康測定の機械を並べた測定器常設スペースがあります。健康ラボステーションでは、そのスペースをお借りして新型コロナウイルス感染予防と対策のために、完全予約制で測定を受け付けています。

さまざまな測定器が並んでいました。

血液の流れを目で確かめる「血流測定」

最初に、血流測定のチェックを受けました。

顕微鏡の下に左手の薬指を置くと、血管が映し出されます。アルファベットの「U」の字の上下を逆にした形で血管が並んでいます。
「血液が流れとるやん」
モニターに映し出された映像に見入ると、確かに血液が流れています。

つめの生え際のすぐ下の毛細血管だと聞いて、「おお! こんな形なんだ」。血液の流れと血管の形に驚きました。

血管がねじれている箇所があります。お菓子の食べ過ぎやお酒の飲みすぎが原因で、ねじれが生じることもあるそうです。血管のにごりは、体内の代謝がよくない状態を示しているようです。

樋口遥香さんのおすすめは「血流測定」です。

樋口さん 「血管って、かわいい」という反響もあります。自分の血管と血液の流れを映像で初めて見ると、興味深いですよね。

脂質や糖質の摂り過ぎ、睡眠不足があると、血管のねじれやにごりが生じます。ストレスを抱え込んでも体は敏感に反応し、その影響が血管に表れます。

健康測定に通うと、人と話す機会にもなります。やはり人と話すのはいいですね。友人や仲間と健康状態を語り合うと、互いに刺激し合って健康づくりの意識をかきたてられます。

年齢とともに進む老化のシグナル「体内糖化度測定」

体内糖化度測定は、腕を機械に乗せるだけで数値が表示されます。体内の余分な糖分がタンパク質や脂質に結びつく反応を糖化といいます。
糖質を摂り過ぎると糖化反応が進み、「最終糖化生成物(AGEs)」と呼ばれる物質を体内にため込みます。
このAGEsの量が多い人ほど、様々な病気を引き起こすリスクが高いといわれています。特殊な紫外線を照射することで体内のAGEsを検知し、数値で表れます。

「体の焦げつき度と考えてください。AGEsは蓄積されるため、年齢を重ねるほど、数値は高くなる傾向にあります」と説明されました。
測定を3回繰り返した数値の平均値は「2.4」。50~59歳の平均値(1.73~2.45)の枠に入っていると知り、ほっとしました。

全身の血管の硬さを表す指標を確認できる「血圧・血管年齢測定」も受けました。

佐光瑞穂さんのおすすめは「体内糖化度測定」です。

佐光さん 糖化度は、若いころからの蓄積です。年齢を重ねると、体の代謝のスピードは遅くなり、AGEsが蓄積されやすくなりますが、そのことに気づかないことが多いのです。

健康測定は気づきの場といえます。食生活が乱れたり、体が不調だと思ったりするときに、数値で示されるとドキッとしますよね。

健康測定を試して数値に関心を持つようになったら、測定を継続してみてください。1回だけでは、体の変化は分かりません。定期的な測定を続けると、体の変化を知ることができます。

体を分割してデータ化する「体成分分析測定」

体成分分析測定では、両手でつかむ持ち手のある体重計のような測定器に乗ります。両手でつかむと体重だけでなく、数多くのデータが数字とグラフになって示されます。

体成分分析測定では、体水分量、タンパク質量、ミネラル量、体脂肪量と、それぞれの数値が表れます。部位別の筋肉量や脂肪量まで、体を五つに分割した形で数字が表示されています。

大原奈緒さんのおすすめは「体成分分析測定」です。

大原さん コロナ禍で運動する機会が減って、体脂肪の増加を心配する人が増えています。

数値を確認して気にとめて、自分の体のことや健康を知ることが大事です。
同僚や友人と一緒に来るのもおすすめです。

健康の状態を比べて「お昼をおごる」とか、数値を競い合うことが健康づくりのきっかけになります。自分ひとりでは続かなくても、仲間と健康づくりに取り組むと、比較する相手ができるので長続きします。一緒に健康を競い合う仲間を持つことも、継続のモチベーションとなります。

InBody点数では、100満点で点数が示されました。

67点(花田)
80点(中尾)
と差が生じました。

スタッフ3人から、「健康の状態が数値に表れます」とやさしく丁寧な説明が続きます。

花田さんは「食事のせいかな。コンビニのおにぎりに唐揚げの組み合わせが大好きなので。同じコンビニの食事でも、シャキシャキレタスのサンドイッチにするだけでも違いますね」と話していました。

私は「思ったよりも数値がよかったので、安心しました」と答えました。

花田康の感想

健康ラボステーションの取材をきっかけに、日々の体重(体脂肪等)をはかっていたので、ある程度予想していた結果だったのですが、同い年の中尾さんに、InBody点数で負けたことが予想外でした。

もし自分ひとりで測定に行っていたら、「まぁこの年代なら、これくらい良くない数値で普通でしょ」と、自分自身に変な言い訳をしていたと思います。
しかし横で、中尾さんの80点を見たら、言い訳のしようがないんです。

女性心理はわかりませんが、男性の方へおすすめしたいのは、ぜひ「同世代の友人・知人」と測定に来てみてください。
数字(数値)で負けると悔しいです! 現実を受け止めると、やる気が沸いてきます。ライバル心という感じですね。

出来ることから生活習慣を改善します。そして取材後に来月の予約も入れました。

中尾卓司の感想

実はこのところ、体が重くだるく感じて、体調がすぐれなかったのです。それで、しばらくアルコールを控えていました。

1カ月くらい続けると、体重が4kgほど落ちて高かった血圧も安定しました。健康ラボステーションの取材に毎月通って、「何か一つでもチャレンジしましょう」と言われて健康を心掛けた成果です。
本当にほっとしています。

「健康測定を続けることが、健康づくりの意識を高めることにつながります」。そのアドバイスが心に響きました。

健康測定を受けると、懇切丁寧なアドバイスを受けることができます。
他にも、興味深そうな測定器が並んでいました。

【骨密度測定】素足になって、かかと部分の骨密度を測定します。
【疲労度測定】指先をセンサーにあてて、心電と脈波を測定・解析して、自律神経機能の活動度とバランスを評価します。
【HbA1c測定】過去1~2カ月の血糖値の平均指数(HbA1c)を測定できます。
【コレステロール測定】コレステロール(善玉・悪玉)、中性脂肪を測定できます。

予約・問い合わせは、健康ラボステーション事務局へ

電話:06-6948-8015
https://kenlab.net/event/oap/

健康ラボステーションの活動を紹介するシリーズ「健ラボ通信」。

Vol.1:「楽しみながら病気の予防を」

Vol.2:「食」の楽しみ提案 健康づくりをアドバイス 管理栄養士

Vol.3:まちの「かかりつけ薬局」に 健康づくりに薬剤師ができること

Vol.4:コロナ禍の知恵 オンラインで健康づくりをアドバイス

組織案内

認定特定非営利活動法人 健康ラボステーション
所 在 地:大阪市北区天満橋1-8-30  OAPタワー10階1005号
電話番号:06-6948-8015

 

執筆:おれんじねっと記者  中尾卓司

1966年4月、兵庫県丹波篠山市生まれ。
1990年4月、毎日新聞入社。大阪社会部、外信部、ウィーン支局、社会部編集委員を経て、2020年3月、毎日新聞を早期退職。記者一筋に30年の経験を生かして、おれんじねっとの取材チームに加わり、記者活動を展開中。「つなぐ、つながる、つなげる」を掲げて新しい情報発信のかたちを提案している。
大阪大学箕面キャンパス「現代ジャーナリズム論」非常勤講師
関西大学社会学部「ジャーナリズム論」「時事問題研究2」非常勤講師

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