隠れ脱水に注意しましょう!
こんにちは!健康ラボステーションの大原です。
暑い夏が終わり、過ごしやすい季節になりましたね。朝晩が冷え込み、辛いと感じることも増えてきました。今年の冬はかなり寒くなるそうですので、体調を崩さないように気をつけましょう。
さて、今回は「脱水について」お話します。
脱水と聞くと、夏をイメージする方も多いのではないでしょうか。
実は空気が乾燥してくる秋から冬にかけても、脱水に注意が必要です。
身体に占める水分の割合について
人の身体には、多くの水分が含まれています。しかしその水分量は、年齢が上がるにつれ減少していきます。最も水分量が多いとされる新生児の場合、水分量は体重の70~80%ですが、高齢者では体重の50%程度になると言われています。
水分は体内でどんな役割を果たしているの?
飲み物や食べ物などから摂った水分は、腸から吸収され血液などの「体液」となって、体内を循環しています。
【体液の働き】
①運搬
身体に酸素や栄養素を運び、老廃物を身体の外へと排出させる
②体温調節
暑い環境下では、皮膚への血液循環を増やして汗を出し、体温を一定に保つ
水分が不足するとこれらの働きが悪くなるほか、脱水による血行不良で、血栓ができる場合もあります。
脳血管性認知症の要因である脳梗塞や、心筋梗塞のリスクを高めてしまうため、認知症を予防する上でも、脱水を防ぐことは大切です。
自分の身体に合った量を計算してみよう
年齢や体格によって1日に必要な水分量は異なります。
以下の表を参考に、ご自身に合った1日に必要な水分量を求めてみましょう。
例えば、25歳で60㎏の場合は、35ml×60㎏=2,100mlになるため、1日に約2.1Lの水分を補給する必要があります。ただしこの量は飲み物からの水分だけでなく、食べ物からの水分も含みます。
水分補給の落とし穴
皆さんは正しく水分補給が出来ていますか?
水分補給として、緑茶を選んでいる方も多いのではないでしょうか。
実は緑茶には、利尿作用のあるカフェインが多く含まれているため、あまり水分補給には適していません。水分補給には、お水やカフェインゼロの麦茶がおすすめです。
また、喉が渇いたと思った時には、すでに脱水が始まっている証拠と言われているため、日頃から意識して、こまめに水分を摂ることが重要です。水分を摂る習慣がない人は、トイレに行った後に水分補給をする、目に付く場所にペットボトルを置いておくなどして、癖づけるようにしましょう。
おすすめの水分補給のタイミング
他にも必ず水分補給をしていただきたいタイミングがあります。
①起床時と就寝前
寝ている間も、呼吸や汗などにより、身体の水分は失われています。
そのため、起床時や就寝前にはコップ1杯分の水分を補給しましょう。
就寝前に冷えた飲み物を飲むと胃腸の冷えに繋がり、トイレが近くなる場合がありますので、温かい飲み物を選びましょう。
②入浴と運動の前後
入浴や運動を行うと、代謝が良くなり汗をかきやすくなります。
その分失われる水分量が増えるため、入浴や運動の前後には、必ず水分補給をするようにしましょう。
③飲酒時
お酒に含まれるアルコールには利尿作用があり、飲んだ以上の水分が、尿として身体の外へと排出されます。特にビールは利尿作用が強く、1Lのビールを飲むと、1.1Lの水分を失うと言われています。
そのため、お酒を飲むときは、併せてお水やお茶などを飲むようにしましょう。
その場で飲むことが難しい場合は、寝る前に必ず水分を摂るように心がけて下さい。
日頃から水分を摂る習慣がないと、初めは必要な水分量を満たすことが難しいかもしれません。まずはご自身ができるものから、実践してみましょう。
作成:認定NPO法人 健康ラボステーション 管理栄養士 大原 奈緒
神戸女子大学卒業後、2019年 4 月に認定 NPO 法人健康ラボステーションへ入社。管理栄養士・フードスペシャリストの資格を所持。現在、介護食アドバイザーの資格取得のため、勉強中。 |