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介護老人保険施設 竜間之郷 ~専門スタッフの連携でリハビリに取り組む~

2020年11月16日

介護老人保険施設竜間之郷は、大東市の阪奈道路西側にあります。施設の特色について、作業療法士の方にお聞きしました。

この施設の特色をお話ししてください。

この施設は平成4年に設立され、現在入所の定員は100名と、1日平均17~20名(登録58名)の通所の方にご利用いただいています。施設の1-2階は各50人の入所者フロア、3階は通所の方のフロアです。リハビリをして元気になって、また自宅で安心して過ごしていただけるよう、退所後のフォローとして、ショートステイや通所リハなど施設全体で利用者の方々を支えるように取り組んでいます。

療法士の皆さんの仕事と役割を教えてください。

この施設では、作業療法士が2名、理学療法士が4名、言語聴覚士が2名、計8名の療法士がいます。
理学療法士は、様々な動作をするための基礎となる筋力や体力・歩行などを鍛えることを目的としリハビリを行います。作業療法士も筋力や体力をつけるためリハビリを行いますが「日常生活動作」を通じて行うことが中心になります。例えば「トイレに行く」「食べる」「服を着る」「お風呂に入る」「ひげを剃る・お化粧をする」など生活をするための動作です。
認知症の方は、足腰はしっかりされていても、日常生活動作が低下している人もいます。また、それぞれの症状も異なります。8人の療法士が各自の専門性を活かして連携し、利用者さん一人一人に応じたリハビリを行っています。

言語聴覚士は、一般的に失語症の訓練や嚥下障害のリハビリなどが主ですが、ここでは「コミュニケーション」と「食事」を大切にするようにしています。認知症の方とのコミュニケーションは言葉に出すことが難しいこともあるので、メモリーノートや日記を書くなども行っています。

入所者との間のエピソードを教えてください。

筆を持ってもらうと、すらすらと綺麗な字を書く方がいました。ご家族に聞くと習字の先生だったんです。
認知症の方も、いろいろな人生を歩んでこられていますので、私の場合、ご家族からお話を聞き「作業」を通じて思いだしてもらえるようにしています。
例えば、大工さんだった方には道具を触ってもらうと、昔のことを話しはじめてくれたりします。編み物が好きだった方には毛糸を持ってもらいながら話したりします。
皆さん昔を思い出した時に良い表情をされるのが、とても嬉しいです。

これからの取り組みについて、教えてください。

認知症の方へのリハビリの一つとして、ICT「情報通信技術」、IOT「モノのインターネット」を私たちの施設では積極的に取り入れています。
大画面タッチパネルを使って計算問題や認知機能面への課題を行ったり、インターネットを通じて、海外旅行が好きな方には海外の写真や映像を検索して一緒に大画面モニターやタブレット端末で見たりします。また、YouTubeを使って好きな音楽を聴き、趣味の動画があれば楽しんで見ていただいています。最近では、VRも導入しています。私がこの仕事を始めたころにはなかったツールですが、認知症の方とのコミュニケーションのひとつのきっかけになっています。
インターネットで、認知症という多種多様な事例なども収集し、いろいろな認知症の方の様子や、うまくいったケースなどを学んでいきたいと思います。

おれんじねっとを通じて、伝えたいことをお願いします。

私たち療法士だけでなく施設にはいろいろな専門がいます。その専門部署と連携し、ご家族やご本人のお話をしっかり聞き、ニーズにお応えできるよう、少しでもお手伝いができるように取り組んでまいります。

施設紹介


社会医療法人若弘会 介護老人保険施設 竜間之郷
所在地:大阪府大東市龍間1595−7
電話:072-869-0076
入所定員:100人

執筆:おれんじねっと編集部  花田 康

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