【症状への具体的な対応策を深掘り】Q.「部屋に知らない人がいる」など、幻覚や幻視を訴えます。どのように対応すればよいでしょうか?

Q:「部屋に知らない人がいる」など、幻覚や幻視を訴えます。どのように対応すればよいでしょうか?
認知症があると幻覚が現れることがあります。
主な幻覚は実際にはないものが見える「幻視」と、ないはずの音が聞こえる「幻聴」があります。
認知症の人が経験するのは、多くの場合、幻視です。
幻視も幻聴も、本人は気味が悪いと感じていたり、恐怖を覚えていたりします。
そうなんですね
幻視は本人にとって実際に見えているため、「そんな人はいない」と頭ごなしに否定しないことが最も大切です。
まずは「見えているのね」と一度は受け止め、不安な気持ちに寄り添いましょう。
その上で「大丈夫、錯覚のようなもので、あなたには何もしませんよ」と伝え、安心させてあげることが大切です。
なるほど
薄暗い場所で起こりやすいため、部屋を明るくするだけでも効果があります。
また、「その人に触れようとしたら消えた」「手を叩いて音を出したら消えた」というように、自身で幻視をコントロールする方法を見つけられるよう、一緒に試してみるのも良いでしょう。
幻視はアルツハイマー型では2割、レビー小体型では8割の人に起こると言われており、薬物治療で改善することもあるため、症状が続く場合は専門医に相談することも検討してください。
参考:「家族のための認知症ケア」繁田雅弘著 NHK出版