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運動で認知症を予防しよう!!

2023年6月14日

こんにちは。
健康ラボステーションの竹本です。

今回は運動についてお話します。
皆さん、運動と認知症の関係をご存知でしょうか?
カナダで行われた研究では、高齢者4,615人を5年間調査した結果、「運動量の多いグループ(歩行より負荷の高い運動を週3回以上行った群)」は「運動量の少ないグループ(歩行以下の運動を週3回以下しか行っていない群)」に比べて、認知症の発症リスクが低いことが明らかになりました。

運動をすると、記憶を司る海馬で、脳の神経を成長させるタンパク質が多く分泌され、記憶力の維持に効果をもたらすと考えられています。

また、運動は糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の予防に効果的です。生活習慣病は認知症の発症や進行に関係があるため、運動によって生活習慣病を予防することで、認知症の発症リスクを減らすことができると言われています。

認知症予防に効果的な運動は?

そこで、認知症予防に効果的な運動をご紹介します。

① 有酸素運動

負荷が比較的軽い運動を指し、手軽に行うことができるので、運動が苦手な方も取り組みやすいです。有酸素運動を行うと血流が良くなるため、脳の活性化に効果があると言われています。有酸素運動にはウォーキングやジョギング、水泳、ヨガなどがありますが、運動習慣の無い方はウォーキングから始めることがおすすめです。大股で歩いたり、早歩きを意識したりすることで運動の負荷を上げることができるため、ダラダラと歩かないように注意しましょう。

② 無酸素運動

短時間で強い負荷のかかる運動を指し、筋肉量を増やすことができます。
下半身を中心に鍛えることができるスクワットや、腹筋を鍛えることができるプランクなどがあります。

③ コグニサイズ

コグニサイズは国立長寿医療研究センターが開発した運動です。運動と認知トレーニングを組み合わせたもので、認知症予防を目的としており、コグニサイズを行うことで認知機能の低下を抑制できることが明らかになっています。コグニサイズには、歩きながらしりとりをする、足踏みしながら肩をタッチするなどの運動があります。

詳しくは「国立長寿医療研究センターHP」に掲載されている資料(コグニサイズ~認知症予防に向けた運動~)をご覧ください。

https://www.ncgg.go.jp/ncgg-overview/pamphlet/p-koguni.html

運動を始めることはできても、なかなか上手く続かないこともあるかと思います。

そこで、運動を続けるためのコツをご紹介します。

運動を続けるコツは?

① 無理のない運動を行う

初めから激しい運動を行うと、続けることが難しくなってしまいます。初めはウォーキングやストレッチ、動画を見ながら筋トレを行うといった運動がおすすめです。

② 家族や友人と一緒に運動する

誰かと一緒に行うことで、やる気が出る、モチベーションを保つことができるなどの効果が期待できます。

③ 運動する日をあらかじめ決めておく

運動習慣をつけるためには、あらかじめ運動する日や、運動する回数(月4回、週2回など)を決めておくことが大切です。スケジュールを立ててカレンダーに記入しておくと、忘れることなく計画的に運動することができます。

運動は認知症だけでなく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病にも有効なため、運動習慣が全く無いという方は、今回の記事をきっかけに何か一つでも始めていただければ幸いです。

作成:認定NPO法人 健康ラボステーション 管理栄養士 竹本 舞花

武庫川女子大学卒業後、2020年4月に認定NPO法人健康ラボステーションへ入社。管理栄養士の資格を所持。
減塩を意識したレシピの考案や、Instagram、メルマガなどのSNSで健康コラムの情報発信を行っている。

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