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北区ハートフルオレンジチーム ~飯田さん、西牧さん、大城さんの紹介~

2021年11月25日

大阪市の北区ハートフルオレンジチーム(認知症初期集中支援チーム)の3人は今年4月から「心を込めて地域とつながるサポートを」と願って活動しています。
JR大阪駅や鉄道各線の梅田駅といった主要ターミナルがあり、高層マンションが多い北区で、認知症の当事者のケアや広報啓発に取り組む活動ぶりを紹介します。

チーム員責任者で看護師の飯田妙子(いいだ・たえこ)さんは「地域のつながりを大切にしています」と話していました。

北区には集合住宅も、高層マンションも多くあります。高齢のご夫婦も、ワンルームに一人で暮らす方が多いのも、北区の特色です。

オレンジチームの活動を伝える周知と啓発の活動に力を入れています。今年4月から7カ月間で100件を超える相談を受けました。そのうち65件程度のケースに対応しました。

コロナ禍で地域イベントがなかった分、オレンジチームの3人が分担して地域を細かく回りました。初期の段階で相談してもらえるように、民生委員や地域福祉コーディネーターの方の協力で地域とのつながりがどんどん広がっています。

生ごみの出し方が不自然だったなど、ちょっとした生活の変化に気づいた民生委員さんや近所の方からオレンジチームに連絡が届きます。コロナ禍で会えなかった家族が数カ月ぶりに会ったら、「もの忘れの症状が進んでいた」と相談を受けたこともあります。

認知症に理解のある企業・団体がオレンジパートナーになる仕組みもあり、企業との協力関係を広げたいと考えてます。

全戸に配布される北区の広報紙でハートフルオレンジチームを紹介していただき、相談が増えました。

自分の家族を例に、「私のおばあちゃんはね」「こんな治療を受けたらいい方向に向かったよ」とプラスの情報を伝えるように心がけています。
「どんなことでも相談してくださいね」と呼び掛けています。

介護福祉士の西牧清隆(にしまき・きよたか)さんは「相談の場を広げたい」と語っていました。

認知症コーディネーターとして活動しています。民生委員や地域福祉コーディネーター、マンションの管理人、病院、薬局から情報を得ます。そうした情報がきっかけとなって個別の訪問につながります。コロナ禍の影響で家族と過ごす時間が増えたせいか、家族からの連絡も多くありました。在宅におけるお困りごとを聞き出すようにしています。

若年性認知症の方とのかかわりや支援もあります。銀行や企業から要請を受けて、職員向けの認知症サポーター養成講座を開きます。認知症サポーターを中心に地域で見守る「チームオレンジ」の活動も広がっています。金融機関の窓口の方から「あの方、ちょっと行動がおかしいようです」と連絡を受けることもありました。

新しい認知症カフェを企画するなど相談窓口を設けて、相談しやすい場を広げたいと思っています。

看護師の大城克子(おおしろ・かつこ)さんは「最初の対応が肝心です」と説明していました。

近所の人や民生委員さんの情報を受けて訪問すると、ご本人から「困っていることはありません」と断られることもありました。何度も通って顔を覚えていただくことから始まります。不在の時には「オレンジチームが来ました」とお手紙を残します。通う回数を重ねて声掛けを繰り返すことによって、ご本人との人間関係が生まれます。

最初の対応が肝心です。ことばの微妙なニュアンスには気を配ってオレンジチームの役割を丁寧にお伝えします。認知症の方がその人らしく生きていけるように、まちぐるみで応援できればと思います。

小学校や中学校でお話をする機会もあり、子どもたちにもやさしいまちづくりに参加してほしいと願います。小学生が「家に帰るので一緒に帰りましょう」と誘導してくれるような人間関係の広がりを期待しています。

北区ハートフルオレンジチームが所属する北区大淀地域包括支援センターの管理者、池成雄太(いけなり・ゆうた)さんは「地域と助け合う関係を大切に」と強調しています。

地域住人に、認知症サポーター養成講座を開く取り組みも続けてきました。実際に、認知症で困った人を手助けすることにつながったケースもありました。コロナ禍で止まっていた小学生向けの勉強会も、来年から再開する予定です。

2025年には団塊の世代が75歳以上になる時代を迎えます。地域と助け合う関係を大切にしています。地域包括支援センターとオレンジチームが相談に乗って、地域のニーズをしっかり受け止めます。私たちだけでは実現できないので多くの方々の協力を受けながら、ご家族が困ったときに気軽に相談できる役割を担っていきます。

北区ハートフルオレンジチーム

専用電話 : 06-4977-6444
月曜日~土曜日(日・祝・年末年始除く)午前9時~午後5時

社会福祉法人大協会
北区大淀地域包括支援センター

執筆:おれんじねっと記者  中尾卓司

1966年4月、兵庫県丹波篠山市生まれ。
1990年4月、毎日新聞入社。大阪社会部、外信部、ウィーン支局、社会部編集委員を経て、2020年3月、毎日新聞を早期退職。記者一筋に30年の経験を生かして、おれんじねっとの取材チームに加わり、記者活動を展開中。「つなぐ、つながる、つなげる」を掲げて新しい情報発信のかたちを提案している。
大阪大学箕面キャンパス「現代ジャーナリズム論」非常勤講師
関西大学社会学部「ジャーナリズム論」「時事問題研究2」非常勤講師

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