取るべき資格は介護福祉士
介護・福祉・医療関係では様々な資格がある。国家資格もあれば、そうでないものもあり、何を取得すればよいのかわからずに取得してしまい、いざ就職すると役立たなかったというケースは多い。
特に福祉や医療の業界では資格の価値は他の業界とも比べて高いと言える。だからこそ、優先すべき資格を理解しておくことは、重要だ。
ではどの資格を選ぶべきなのか? ここでは「介護福祉士」について説明していく。
職に困りにくい資格を選ぶ
超高齢化社会の日本では、介護職の人材が不足している。そのため多くの求人が出回っており、就職だけであれば容易だと言えるが、それは大きな落とし穴だ。
資格の価値が高い福祉職では、実力以上に資格持ちが重宝される傾向にある。一概には言えないが、1つの根拠として「資格者が人員配置上必ず必要」であることは確かだ。
そのため、介護職で勤務するにあたっては資格の取得を念頭に置いておくと良いだろう。
その中でも汎用性がある資格の一つが「介護福祉士」という資格だ。
その理由をとして、以下の3つを挙げる。
国家資格であること
まず、国家資格であることが1つの価値だ。国家資格だから偉いという基準ではなく、あらゆる条件の対象になりやすいという点だ。 人員配置の条件として、「〇〇の資格者が〇〇名以上」という条件があるが、その資格者として国家資格が指定されることは多い。その条件が満たせないがために高給で求人を掲載したり、減算状態で事業を維持する事業者は少なくない。 だからこそ、必要条件に該当している資格保持者は重宝されるといえる。 また、介護業界では毎年制度の見直しが行われている。それによって、「本当に必要な資格」の価値は段階的に上がっていっていると言えるだろう。
一般資格が対象外になることが多く、その一方で国家資格は優遇されているといっても過言ではない。
その点においても、国家資格という基準で資格を選定するのは間違いではない。
受験資格が比較的容易
第2に受験資格が比較的容易であることが挙げられる。実務経験が3年以上且つ、実務者研修を受けていれば学歴・年齢不問で受験資格が与えられる。
高校卒業の後、資格の専門学校や大学、または養成施設等へ通って取得するコースもあるが、先に述べた方が取得までにかかる金額面を考えてもハードルは低いといえる。
より効率良く資格を取得する場合は、2年の実務経験を積み、3年目に実務者研修を取得、3年目に実施される試験を受験すれば実務経験が3年取得できた段階で介護福祉士となれる。
合格率が高い
第3に合格率の高さが資格の選択に置いて大きな点になる。 よく比べられる資格の中に、「社会福祉士」や「精神保健福祉士」という国家資格がある。もちろん勤務先によって必要な資格はことなる場合があるため、こちらの2つが優先されるケースはなくはない。
しかし、汎用性がありトータルで考えた場合に「介護福祉士」を優先しても良いだろう。
どちらの資格も、受験資格に置いては大きく大差が無いにしても、合格率に大きな差があると言える。
社会福祉士は毎年約20〜30%程度の合格率が出ており、国家資格の中では平均または取得しやすいと言えるが、介護福祉士に関しては60〜70%と倍以上の合格率を誇っている。 なぜここまで大きく差があるのかというと、介護福祉士の試験内容が比較的現場目線であるということが大きな要因だろう。
実務経験を2年以上積んだ状態で受験するため、さほど勉強をせずとも基本知識として身についているものが多い。
それに対して、社会福祉士の資格に置いては制度に関するものや社会システム、保障やサービスに関する内容の割合が多く、現場では直接的に得ていない範囲をカバーしなければならない。
そういった部分も含め、介護福祉士は優先して取得することを考えておくと良いと言える。
無意味な資格は無い
ここでは介護福祉士についての価値を説明したが、他の資格が無意味ということではないことを理解しておいて欲しい。
例えば認知症に絞ると「認知症ケア専門士」や「認知症ライフパートナー検定」「認知症ケア指導管理士」といったものなど、分野に絞るだけでも多くのものがる。
試験というハードルをクリアして知識を得ることで、現場で役立つものもあれば、利用者目線から「勉強している人に介護されている」という安心感と信頼を与えられるというのは大きな要素といえる。
また、キャリアアップとして取り入れている事業者も少なくないため、そういった点も含めながら資格選びをしていくことも、長く続ける上では大切だということを覚えておいてほしい。