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まだら認知症とは?特徴と治療方法について

2021年4月22日

近年では、高齢化の進行に伴い、認知症に陥る方もめずらしくない世の中になりました。しかし、認知症はひとつではなく、いくつかの種類が存在します。また、同じ認知症でも種類が違えば、その特徴や治療方法も異なってきます。そのため、私たちは認知症の種類を理解しておくことが大切です。

ここでは、認知症の約20%を占めている「まだら認知症」の特徴や治療方法について、解説します。

まだら認知症の特徴について

脳に損傷を受けた影響で生じる

まだら認知症とは、脳血管性認知症のひとつで、脳梗塞や脳出血などが原因で起こります。そうなると、脳の血管が詰まることになります。つまり、脳に十分な血液が送られずに、脳細胞が死んでしまうのです。しかし、脳のどの部分に損傷を受けたかは人によって違うため、症状の現れ方は実にさまざまです。例えば、損傷を受けていない部分は正常である場合も多く、周りから見れば認知症だと一見気づかないこともあります。そのため、まだら認知症と呼ばれているのです。

記銘力・遂行能力は低下するが、判断力や専門知識は保たれる

まだら認知症は、もの忘れや行動力の低下が主に生じます。このような症状は、本人にも自覚がある場合が少なくありません。特に初期の頃は、「もの忘れが多くなった」「何かをする気力がない」などと、自分自身の変化を理解していることが多いのです。ただ、上記のような能力は失われますが、物事を判断したり、今まで自分が持っていた専門知識は低下しないケースがめずらしくないとされています。

一方、感情面に問題が起きることもあります。自分の感情をコントロールしにくくなり、泣いたり笑ったりなど感情の起伏に波が見られる、感情失禁と呼ばれる症状が出現することも顕著です。また、自覚はあるのに思ったように行動ができない苦しさなどから、うつ状態に陥る方もいます。

身体的な症状も併発する

まだら認知症の症状には、身体的な問題も生じることが多いものです。例えば、頭痛や手足のしびれ、めまい、呂律がまわりにくくなるなどが出現する傾向にあります。このような症状が出ることで、衣服の着脱が困難になったり、何かを伝えたくても言葉にならないなどの状況に陥ります。そのため、生活面での支援が必要になる場合もあります。

まだら認知症の治療方法とは

薬物療法を行う

まだら認知症は、脳血管障害が原因で生じます。脳血管障害は、高血圧や糖尿病などが影響するので、その再発を防ぐことが必要になります。そのため、高血圧薬や脳血流改善薬などを処方し、改善を図ります。また、うつ状態が強く現れている場合には、抗うつ薬を使用し、心の安定をサポートすることが大切です。

リハビリテーションの実施

身体に支障が出ている場合は、手や足の運動機能のリハビリや言語機能の回復を目指すリハビリを受けることが重要です。このような訓練は、医療機関が実施しているデイサービスや訪問介護のサービスなどを活用することで、回復が期待できます。

一方、リハビリ以外でも、本人が生活しやすいように自宅に手すりをつけたり、福祉用具を利用できるように、環境を整備することも必要です。

本人への心理的サポートも視野に入れる

まだら認知症は、本人に病識がある場合も多いものです。それゆえに、今まで出来たことが出来なくなった自分を責めたり、いらだちを感じやすい傾向にあります。そのため、家族を始めとする周囲の人は、厳しい言葉を投げかけないように配慮することも大切です。

また、本人の心理的問題の整理や周囲がどう対応して良いか分からない場合は、可能な範囲で、医師などによるカウンセリングや心理教育を受けることも心がけましょう。

まとめ

まだら認知症は、すべての記憶を忘れたり、人格が変化するなどの特徴が少ないため、本人を尊重しながら周囲がサポートして行くことが大切です。この点が他の認知症と異なる部分でもあるので、まだら認知症の主な症状や治療方法を頭に入れておくことが必要になります。