【症状への具体的な対応策を深掘り】Q. 夜眠ってくれず、昼夜逆転しがちです。家族ができる工夫はありますか?

Q:夜眠ってくれず、昼夜逆転しがちです。家族ができる工夫はありますか?
認知症になると、脳の体内時計の中枢となっている部分が委縮したり、神経伝達物質の分泌に障害が起こったりして睡眠リズムが乱れやすくなります。
そうなんですね
昼夜が逆転してしまうと介護の負担も増えますが、まず大切なのは「ご本人がその状況を辛いと思っているか」という視点です。
もしご本人が辛そうにしていなければ、家族も「夜は寝るもの」と固執しすぎず、ある程度本人のリズムに合わせる柔軟な姿勢も必要です。
なるほど
一方で、ご本人が眠れずに辛そうにしている場合は、環境を工夫してみましょう。
例えば、時間の感覚が鈍くなっているようであれば、鳩時計のように定時に音で知らせてくれる時計を置くことで、時間を意識しやすくなり、生活リズムを取り戻せたというケースがあります。
また、体内時計に働きかける光の活用も有効です。朝はカーテンを開けて太陽の光を浴びてもらい、夜はオレンジ系の暖かい色の照明に切り替えることで、脳が自然に休息モードに入りやすくなります。
ご本人の様子を見ながら、暮らしの中にこうした工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考:「家族のための認知症ケア」繁田雅弘著 NHK出版
参考:「151人の名医・介護プロが教える認知症大全」繁田雅弘ら監修 小学館