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認知症ってなに?

 Q:認知症ってなに?

 認知症とは脳の細胞が死んだり、働きが悪くなったりして、脳能力が落ち、6か月以上生活に支障が出ている状態のことです。以前は痴呆症と呼ばれていましたが、「認知症」と言い換えられました。

 

 Q:認知症とはどんな状態ですか?

 認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んだり、働きが悪くなったりしたために、記憶力や判断力などが落ちて、生活に支障が出ている状態(6か月以上継続)のことです。以前は痴呆症と呼ばれていましたが、侮蔑的な表現である、実態を正確に表していないなどの理由で、2004年12月から「認知症」と言い換えられるようになりました。

高齢化が進み、認知症は誰もが無関心ではいられない状態になりました。「痴呆症」という用語が誤ったイメージや恐怖心をあおり、早期発見・早期診断などの施策実施の支障になることも指摘されていたので、用語変更は、その人らしく、安心して暮らせる社会の実現を願って行われたものです。

認知症を予防するには、適度な運動、栄養バランスの良い食事、十分な睡眠、社会的な交流が大切と言われています。頭を使うことや新しいことへの挑戦も脳の健康を保つのに役立ちます。日々の生活習慣を見直して、認知症予防を心がけることが大切です。

 

 Q:アルツハイマーとはどんな病気ですか?認知症とはどう違いますか?

 アルツハイマーとは、認知症状態を起こす原因になる疾患の一つです。一方、認知症は症状であり、疾患名ではありません。

アルツハイマーは、脳にアミロイドβというタンパク質がたまることが原因で、認知機能の低下を引き起こす病気です。脳にたまったアミロイドβが脳神経細胞を破壊すると脳は委縮し働かなくなり、その結果、認知機能が低下するようになります。アルツハイマーを発症すると、時間の経過で脳の萎縮は進み、それに伴い症状も徐々に進行します。アルツハイマー型認知症は、アルツハイマーが原因の認知症のことです。

 

 Q:ぼけとはどんな状態ですか?認知症とはどう違いますか?

 ぼけとは、一般的に加齢に伴う生理的精神変化の通俗的な表現として使われています。一方、認知症は疾患名ではありませんが、医学的な言葉として使われることが多い用語です。認知症という概念は、知能の障害のために日常生活に支障をきたしている状態のことで、脳の器質的病変(脳に病気がある)を原因とするとものとされています。

認知症の初期症状には記憶障害と呼ばれる物忘れがよく見られますが、加齢による生理的老化と区別する必要があります。

生理的老化による記憶低下と、認知症などの病的記憶障害の特徴の違いは、以下のとおりです。

生理的老化に伴う記憶低下(ぼけ) 病的記憶障害(認知症)
l  最近の記憶が低下しやすい。

l  思い出せないがよく起こる。

l  体で覚えた技術やノウハウは失われない。

l  きわめて徐々にしか進行しない。

l  記憶全体が著しく低下する。

l  時や場所、人物などの記憶が障害される。

l  学習能力が著しく障害される。

l  本人は記憶の低下を自覚しない。

l  進行が早い。

 

 認知症を疑った場合には、なるべく早く、認知症外来などを受診しましょう。病気は早期発見・早期対応が大切です。

 

まとめ

認知症と「アルツハイマー」「ぼけ」の違いについて解説してきました。認知症とは脳の細胞が死んだり、働きが悪くなったりして、脳能力が落ち、6か月以上生活に支障が出ている状態のことですが、以前は痴呆症と呼ばれていました。

認知症の初期症状には記憶障害がよく見られますが、加齢による生理的老化による物忘れと区別する必要があります。認知症を疑った場合には、なるべく早く、認知症外来などを受診しましょう。

 

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