「介護老人保健施設おとしよりすこやかセンター南部館」~利用者の目線に寄り 添う安心の窓口に~
介護老人保健施設おとしよりすこやかセンター南部館はもともと、大阪市立の介護老人保健施設1号館として建設されました。今では大阪市を離れて、医療法人仁悠会が運営し、在宅復帰と在宅支援のための地域拠点となっています。高齢者福祉や介護の専門知識を持つ職員たちが利用者に寄り添う施設の役割について、看護師長の立本桂子(たてもと・けいこ)さんに聞きました。
おとしよりすこやかセンター南部館について教えてください。
入所サービスの在宅復帰に向けたリハビリのほか、通所リハビリテーションによる在宅支援の役割もあり、自分らしく生きる利用者さんに寄り添う施設です。多くの職種の職員がチームとなって利用者さんの24時間の情報を共有して、利用者さんの目線に合わせて力を尽くしています。
2階と3階に、入所・療養フロアがあります。2階(定員52人)、3階は認知症専門棟(定員48人)になっています。
施設の特徴と立本さんの役割をお聞かせください。
立本桂子 看護師長
支援相談員、ケアマネジャー、介護職員、看護師、リハビリを担当する理学療法士、作業療法士など高齢者福祉や介護を専門とするさまざまな職種の職員が利用者さんおひとりおひとりのために連携しています。横並びでチームワークを発揮できるように、職種のちがいに関係なく同じ制服を着て、職員の間で常に相談を繰り返しています。
私はこの施設に23年間勤務し、今、認知症専門棟を担当しています。看護師長として、利用者さんが安心して生活を送ることが出来る環境づくりを大切に考えています。職員とは、「利用者さんの思いを理解した上で、必要なサポートは何か」と、いつも話し合っています。
どんなとき、やりがいを感じますか。
入所間もない利用者さんは「家に帰りたい」と不安な気持ちを抱かれます。最初の1週間は特に気を使います。利用者さんが落ち着いて表情が和らいでいくなど、ちょっとした糸口が見つかると手応えを感じ、利用者さんの笑顔を見ると、うれしくなります。また「最近、お元気がないな」と利用者さんの小さなサインを見逃さないように心掛けています。
今出来ている日常生活動作を長く維持していただきたい。自分で出来ることが、ご自身の喜びにもつながります。ご自身でできることはお手伝いせずに見守ることも、生活のリハビリと考えています。
安全・安心の環境づくりには常に気を配り、今は、コロナウイルスの感染防止にも力を注いでいます。
今後、どんなことに取り組みたいですか。
利用者さんとご家族の生活を一緒に考えていく「最後のとりで」になりたいと願っています。多くの職種の職員がそれぞれの役割を担って、信頼される施設を目指しています。
入所や通所のご相談を受けたら〝原則として受け入れる〟方向でお話をお聞きします。ご相談を受けたその日のうちに入所していただくこともあるくらい、スピーディーに対応しています。在宅復帰に向けて、利用者さんのご自宅を訪ねて、動作確認や日常生活上のアドバイスも行います。
ご家庭や地域の在宅サービスの事業所など、地域社会との情報共有やネットワークも大切にしています。
おれんじねっとを通じて、伝えたいことをお話しください。
多くの職種の職員が一緒になって、利用者さんの在宅復帰や自立を支える老健施設の役割はまだ広く知られていません。利用者さんの在宅生活における困りごとをお聞きする相談窓口として活用してください。
おとしよりすこやかセンター南部館の今後の役割について、中澤秀夫・施設長(医師)にも、お話をお聞きしました。
介護を受けながら機能改善・維持のためのリハビリを続け、高齢者の在宅復帰と自立を支え、在宅生活を支援する老健施設の役割はますます重要になります。入所を終えて自宅に帰った後、デイケアの利用を続ける利用者さんも多くいます。自宅に帰るとじっとして動かず、寝たきりになるケースもあり、自宅と老健施設の間を出たり入ったりを繰り返すような利用の仕方もあります。地域社会と連携して、高齢者の自立や在宅生活を支えたいと考えています。わからないことは、なんでもご相談ください。
中澤施設長
施設紹介
医療法人仁悠会
介護老人保健施設
おとしよりすこやかセンター南部館
サービス内容:入所、短期療養入所介護、通所リハビリテーション
定員:入所100人、通所86人
所在地:大阪市平野区喜連西6-2-33
電話番号:06-6701-6700
執筆:おれんじねっと記者 中尾卓司
1966年4月、兵庫県丹波篠山市生まれ。 |